iDeCoは個人事業主もお得?小規模企業共済との併用と節税効果シミュレーション


個人事業主やフリーランスとして働く中で、「老後資金の準備はどうすればいいのか」「できるだけ税金を抑えながら貯蓄したい」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。特にiDeCoは節税効果が高いと聞くものの、小規模企業共済との違いや併用の可否、実際の節税額がわかりにくいという声をよく耳にします。

この記事では、個人事業主がiDeCoを活用するメリットと注意点、小規模企業共済との併用方法、そして具体的な節税効果をシミュレーションを交えて解説します。掛金の上限額や控除の仕組み、どちらを優先すべきかの判断基準まで、会計屋.comが実務に即した情報を分かりやすくお届けします。

令和6年度の最新税制に基づき、あなたに最適な老後資金準備の方法を見つけましょう。

iDeCo(イデコ)とは?個人事業主が知っておくべき基礎知識

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、自分で掛金を拠出し、運用商品を選んで運用し、60歳以降に給付を受け取る私的年金制度です。国民年金や厚生年金に上乗せして、自分で老後資金を準備できる制度として2001年に創設されました。

iDeCoの3つの税制メリット

iDeCoには大きく分けて3つの税制優遇があります。

iDeCoの3つの税制メリットを示した図解
iDeCoは掛金・運用・受取の3段階で税制優遇が受けられる
  • 掛金が全額所得控除:年間の掛金全額が所得控除の対象となり、所得税・住民税が軽減されます
  • 運用益が非課税:通常の投資では運用益に約20%の税金がかかりますが、iDeCoでは非課税です
  • 受取時も税制優遇:一時金で受け取る場合は退職所得控除、年金で受け取る場合は公的年金等控除が適用されます
ポイント: 個人事業主にとって最も効果が大きいのは「掛金の全額所得控除」です。事業所得が多いほど、高い税率で課税されるため、控除による節税効果も大きくなります。

個人事業主のiDeCo加入条件

個人事業主(国民年金第1号被保険者)がiDeCoに加入するには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 20歳以上65歳未満であること
  • 国民年金保険料を納付していること(免除・猶予を受けていないこと)
  • 農業者年金の被保険者でないこと
注意: 国民年金保険料の未納や免除・猶予を受けている期間は、iDeCoに加入できません。まずは国民年金の納付を優先しましょう。

個人事業主のiDeCo掛金上限額と小規模企業共済との違い

個人事業主がiDeCoを検討する際、必ず比較検討すべきなのが「小規模企業共済」です。どちらも節税効果がある制度ですが、掛金上限や特徴が異なります。

iDeCoの掛金上限額(個人事業主の場合)

個人事業主(国民年金第1号被保険者)のiDeCo掛金上限額は、以下のように設定されています。

加入状況 月額上限 年額上限
国民年金基金に加入していない 月額68,000円 年額816,000円
国民年金基金にも加入している 合計で月額68,000円 合計で年額816,000円

国民年金基金に加入している場合、iDeCoの掛金と国民年金基金の掛金の合計が月額68,000円までとなります。

小規模企業共済との比較表

iDeCoと小規模企業共済の比較イメージ
iDeCoと小規模企業共済はそれぞれ特徴が異なる制度
項目 iDeCo 小規模企業共済
掛金上限(月額) 68,000円 70,000円
掛金下限(月額) 5,000円 1,000円
税制優遇 全額所得控除(小規模企業共済等掛金控除) 全額所得控除(小規模企業共済等掛金控除)
運用方法 自分で運用商品を選択(元本保証なし) 中小機構が運用(予定利率1.0%程度)
受取開始年齢 原則60歳以降 廃業・退職時(年齢制限なし)
途中解約 原則不可(60歳まで引き出せない) 可能(ただし元本割れの可能性あり)
貸付制度 なし あり(掛金残高の範囲内)
併用 可能 可能

どちらを優先すべきか?

一般的には、以下の優先順位で検討することをおすすめします。

STEP 1: まず小規模企業共済を月額70,000円まで加入する
STEP 2: さらに節税・老後資金準備をしたい場合、iDeCoを月額68,000円まで追加

この理由は、小規模企業共済には以下のメリットがあるためです。

  • 廃業時にいつでも受け取れる(60歳を待つ必要がない)
  • 貸付制度があり、資金繰りが厳しいときに活用できる
  • 運用リスクがなく、予定利率が設定されている
ポイント: 小規模企業共済とiDeCoは併用可能です。合計で月額138,000円(年間165.6万円)まで掛金を拠出でき、全額が所得控除の対象になります。

▲ iDeCoと小規模企業共済の違いを動画で詳しく解説

iDeCoの節税効果シミュレーション|所得別の控除額を計算

実際にiDeCoに加入すると、どれくらいの節税効果があるのでしょうか。所得金額別に具体的な金額をシミュレーションしてみましょう。

節税額の計算方法

iDeCoの掛金による節税額は、以下の計算式で算出します。

年間節税額 = iDeCo掛金額 × (所得税率 + 住民税率10%)

所得税率は課税所得金額によって以下のように変動します(令和6年度時点)。


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