退職金の確定申告|退職所得の計算方法と源泉徴収票の見方・還付の可能性


退職金を受け取った方の中には、「確定申告が必要なのだろうか」「税金が戻ってくる可能性があるのか」と疑問をお持ちの方も多いでしょう。退職金は通常、会社が源泉徴収を行うため確定申告不要ですが、実は確定申告をすることで税金が還付されるケースが少なくありません。特に「退職所得の受給に関する申告書」を未提出だった方や、年の途中で退職した方は要注意です。

本記事では、退職金の確定申告が必要なケース・不要なケースを明確に解説し、退職所得の正しい計算方法、源泉徴収票の見方、還付を受けられる具体的なパターンまで、税務の専門知識を分かりやすくお伝えします。確定申告の手続き方法や必要書類、よくあるミスとその対策についても詳しく説明しています。

この記事を読むことで、退職金に関する税金の仕組みを正しく理解し、払いすぎた税金があれば確実に取り戻せるようになります。数十万円の還付を受けられる可能性もありますので、ぜひ最後までご覧ください。

退職金の確定申告書類と源泉徴収票のイメージ
退職金の確定申告に必要な書類一式

退職金の確定申告:基本的な仕組みと申告不要制度

退職金(退職所得)は、給与所得や事業所得とは異なる特別な税制が適用されます。まずは退職金の課税の基本的な仕組みと、確定申告が不要になるケースについて理解しましょう。

退職所得の分離課税制度とは

退職金は「分離課税」という特別な課税方式が適用されます。これは、退職金を他の所得(給与所得や事業所得など)とは分けて独立して税額を計算する制度です。分離課税には以下のような特徴があります。

  • 退職所得控除:勤続年数に応じた控除額が設定されており、税負担が軽減される
  • 2分の1課税:控除後の金額をさらに2分の1にして課税対象とする(令和4年以降、勤続5年以下の特定役員等を除く)
  • 他の所得との合算なし:給与所得などと合算されないため、税率が跳ね上がることを防げる
  • 退職所得のみで税額計算:退職所得だけで所得税・住民税の税率を判定する
ポイント: 退職金は長年の勤労に対する報償的性格を持つため、税制上優遇されています。同じ金額を給与として受け取る場合と比較すると、税負担は大幅に軽くなります。

「退職所得の受給に関する申告書」の重要性

退職金を受け取る際、会社から「退職所得の受給に関する申告書」の提出を求められます。この書類を提出するか否かで、確定申告の要否が大きく変わります。

項目 申告書を提出した場合 申告書を提出しない場合
源泉徴収の方法 正しい退職所得の計算式で源泉徴収 退職金額の20.42%を一律源泉徴収
確定申告の要否 原則不要 原則必要(還付を受けるため)
税負担 適正額 過大(還付の可能性大)
勤続年数の考慮 あり(退職所得控除が適用) なし(控除が適用されない)
2分の1課税 適用される 適用されない

確定申告が不要になるケース

以下の条件を満たす場合、退職金について確定申告をする必要はありません。

  1. 「退職所得の受給に関する申告書」を提出済み:会社が正しく源泉徴収を行っている
  2. 退職金以外に所得がない、または退職金以外の所得についても適切に源泉徴収・納税されている
  3. 年末調整や他の確定申告で調整が不要:医療費控除など他の還付事由がない
会計屋.comからのアドバイス: 「退職所得の受給に関する申告書」は退職前に必ず提出しましょう。提出しないと20.42%もの高税率で源泉徴収されてしまい、後で確定申告をして還付を受ける手間が発生します。
退職所得の受給に関する申告書のサンプル
退職所得の受給に関する申告書の記入例

確定申告が必要または有利になるケース

一方、以下のような場合には確定申告が必要、または確定申告をすることで税金が還付される可能性があります。

  • 「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない:20.42%で源泉徴収されているため、ほぼ確実に還付が受けられる
  • 年の途中で退職し、年末調整を受けていない:給与所得の源泉徴収税額が過大な可能性がある
  • 複数の会社から退職金を受け取った:合算して退職所得控除を計算すると有利になる場合がある
  • 医療費控除やふるさと納税など他の控除がある:退職金の税額は変わらないが、給与所得等の税額が減る
  • 退職金の計算に誤りがあった:会社の計算ミスで過大に徴収されているケース

退職所得の計算方法:ステップ別詳細解説

退職金にかかる税金を正しく理解するには、退職所得の計算方法を知ることが不可欠です。ここでは、具体的な計算手順を段階的に解説します。

退職所得控除額の計算式

退職所得控除は、勤続年数に応じて以下の計算式で求めます。

勤続年数 退職所得控除額の計算式
20年以下 40万円 × 勤続年数
(最低80万円保証)
20年超 800万円 + 70万円 × (勤続年数 – 20年)
注意: 勤続年数に1年未満の端数がある場合は、切り上げて1年として計算します。例えば、10年3ヶ月勤務した場合は11年として計算します。

退職所得の計算式(基本パターン)

退職所得は以下の計算式で算出します。

退職所得 = (退職金の収入金額 – 退職所得控除額) × 1/2

この計算式は、勤続年数が5年を超える一般的なケースに適用されます。退職所得控除を差し引いた後、さらに2分の1にすることで、税負担が大幅に軽減される仕組みです。

特定役員等の短期退職所得の計算(令和4年以降)

令和4年分以降、役員等で勤続年数が5年以下の場合、2分の1課税の適用方法が変更されました。

  • 退職所得控除額を超える部分:全額が課税対象(2分の1課税が適用されない)
  • 退職所得控除額以下の部分:2分の1課税が適用される
具体例: 役員として4年間勤務し、1,000万円の退職金を受け取った場合
・退職所得控除額:40万円 × 4年 = 160万円
・控除額以下の部分:160万円 × 1/2 = 80万円
・控除額超過部分:(1,000万円 – 160万円) = 840万円(2分の1課税なし)
・退職所得:80万円 + 840万円 = 920万円
退職所得の計算フローチャート
退職所得の計算手順を示すフローチャート

実際の計算例:ケーススタディ3パターン

ケース1:勤続15年の一般社員(退職金600万円)

STEP 1: 退職所得控除額の計算
40万円 × 15年 = 600万円
STEP 2: 退職所得の計算
(600万円 – 600万円) × 1/2 = 0円

結果:退職所得控除額の範囲内に収まるため、課税所得は0円となり、所得税・住民税ともに課税されません。

ケース2:勤続25年の一般社員(退職金2,000万円)

STEP 1: 退職所得控除額の計算
800万円 + 70万円 × (25年 – 20年) = 800万円 + 350万円 = 1,150万円
STEP 2: 退職所得の計算
(2,000万円 – 1,150万円) × 1/2 = 850万円 × 1/2 = 425万円
STEP 3: 所得税額の計算(425万円に対する税率)
425万円 × 20% – 42.75万円 = 85万円 – 42.75万円 = 42.25万円
復興特別所得税:42.25万円 × 2.1% = 0.89万円
合計所得税額:42.25万円 + 0.89万円 = 約43.14万円

結果:所得税約43万円、住民税約42.5万円(425万円×10%)が源泉徴収されます。

ケース3:役員として3年勤務(退職金800万円)※令和4年以降

STEP 1: 退職所得控除額の計算
40万円 × 3年 = 120万円
STEP 2: 退職所得の計算(特定役員等の短期退職手当等)
・控除額以下の部分:120万円 × 1/2 = 60万円
・控除額超過部分:800万円 – 120万円 = 680万円
・退職所得合計:60万円 + 680万円 = 740万円

結果:通常の計算(340万円)と比べて、課税所得が2倍以上になり、税負担が大幅に増えます。

▲ 退職所得の計算方法を解説する動画

複数の退職金を受け取った場合の計算方法

同じ年に複数の会社から退職金を受け取った場合や、前年以前4年以内に他の退職金を受け取っている場合は、計算方法が異なります。

  • 同一年内に複数受給:合算して計算し、それぞれの退職金額に応じて按分
  • 前年以前4年以内に受給歴あり:前回の退職所得控除と重複する期間は控除額から差し引く
  • 確定申告が必要:複数受給の場合は原則として確定申告で正しい税額を計算
注意: 複数の退職金を受け取った場合の計算は複雑です。税務署や税理士に相談することをお勧めします。計算を誤ると、本来より多く税金を納めてしまう、または後で追加納税が必要になる可能性があります。

退職金の源泉徴収票の見方と確認ポイント

退職金を受け取ると、会社から「退職所得の源泉徴収票」が発行されます。この書類の見方を理解することで、税額が正しく計算されているか確認できます。

退職所得の源泉徴収票の基本構成

退職所得の源泉徴収票には、以下の項目が記載されています。

項目名 内容 確認ポイント
支払金額 実際に受け取った退職金の総額 契約書や退職金規定と一致しているか
源泉徴収税額 差し引かれた所得税額 申告書未提出の場合、約20%になっていないか
特別徴収税額 差し引かれた住民税額 退職所得に対する10%が正しく計算されているか
就職年月日 入社日 正確な日付が記載されているか
退職年月日 退職日 実際の退職日と一致しているか
勤続年数 退職所得控除の計算に用いた年数 端数切り上げで正しく計算されているか
退職所得控除額 勤続年数に応じた控除額 計算式通りに算出されているか
退職所得の源泉徴収票のサンプルと各項目の説明
退職所得の源泉徴収票の見本と確認すべき項目

「退職所得の受給に関する申告書」提出有無の確認方法

源泉徴収票を見れば、申告書を提出したかどうかが分かります。

  • 申告書を提出した場合:「退職所得控除額」欄に金額が記載され、源泉徴収税額が適正額になっている
  • 申告書を提出していない場合:「退職所得控除額」欄が空欄または「0」、源泉徴収税額が支払金額の約20.42%になっている
確認例: 退職金500万円を受け取り、源泉徴収税額が約102万円(500万円×20.42%)の場合、申告書未提出の可能性が高く、確定申告で還付を受けられる可能性があります。

源泉徴収票で発見できるよくある誤り

会社の計算ミスや入力ミスにより、以下のような誤りが発生することがあります。

  1. 勤続年数の計算ミス:端数の切り上げを忘れている、または入社日・退職日が誤っている
  2. 退職所得控除額の計算ミス:20年超の場合の計算式を間違えている
  3. 2分の1課税を忘れている:控除後の金額をそのまま課税所得としている
  4. 特定役員等の計算適用誤り:令和4年以降の新ルールが正しく適用されていない
  5. 復興特別所得税の計算漏れ:2.1%の上乗せ税率が適用されていない
注意: 誤りを発見した場合は、まず会社に確認しましょう。会社が訂正に応じない場合や、すでに時間が経過している場合は、自分で確定申告をして正しい税額を申告します。

源泉徴収票がない場合の対処法

退職所得の源泉徴収票は、退職後1ヶ月以内に交付されるのが一般的ですが、届かない場合もあります。

  • 会社に再発行を依頼:源泉徴収票の交付は法律で義務付けられているため、請求できる
  • 税務署に相談:会社が交付に応じない場合、税務署から「源泉徴収票不交付の届出書」を提出し、税務署から会社に指導してもらえる
  • 退職金の支払証明で代用:源泉徴収票がどうしても入手できない場合、退職金の振込明細や支払証明書で申告できることもある(事前に税務署に相談)
源泉徴収票の記載内容と照合すべき書類
源泉徴収票と照合すべき退職金規定や労働契約書

退職金の確定申告で還付を受けられるケース詳細

退職金について確定申告をすることで、税金が戻ってくる可能性があります。ここでは、還付を受けられる主なケースと、その金額の目安について解説します。

「退職所得の受給に関する申告書」未提出による過大納付

最も還付額が大きくなるのが、このケースです。申告書を提出していないと、退職所得控除や2分の1課税が適用されず、退職金額の20.42%が一律で源泉徴収されます。

還付額の計算例: 勤続20年、退職金1,000万円のケース

【申告書未提出の場合の源泉徴収額】
1,000万円 × 20.42% = 約204.2万円

【正しい税額の計算】
・退職所得控除:40万円 × 20年 = 800万円
・退職所得:(1,000万円 – 800万円) × 1/2 = 100万円
・所得税:100万円 × 5% × 1.021 = 約5.1万円

【還付額】
204.2万円 – 5.1万円 = 約199万円の還付

このように、申告書未提出のケースでは数十万円から数百万円の還付を受けられる可能性があります。

年の途中で退職した場合の給与所得との調整

年の途中で退職し、その後再就職していない場合、給与所得について年末調整を受けていないため、確定申告で還付を受けられる可能性があります。

  • 毎月の源泉徴収は概算:年末まで働く前提で計算されているため、途中退職だと徴収過多になりやすい
  • 各種所得控除が未適用:生命保険料控除、地震保険料控除などが年末調整で適用されていない
  • 扶養控除等の変更:年の途中で扶養家族が増えた場合など
具体例: 9月末退職、1月~9月の給与総額400万円、源泉徴収税額12万円のケース

・給与所得:400万円 – 124万円(給与所得控除)= 276万円
・基礎控除:48万円
・社会保険料控除:60万円
・生命保険料控除:4万円
・課税所得:276万円 – 112万円 = 164万円
・正しい所得税額:164万円 × 5% × 1.021 = 約8.4万円
・還付額:12万円 – 8.4万円 = 約3.6万円

ただし、退職所得自体は分離課税のため、給与所得の還付額には影響しません。退職金と給与の確定申告は別々に考えます。

医療費控除・寄附金控除等の追加控除

退職年に多額の医療費を支払った場合や、ふるさと納税をした場合(ワンストップ特例を利用していない場合)、確定申告で控除を受けられます。

控除の種類 控除額 必要書類
医療費控除 (医療費 – 10万円)または所得の5%のいずれか少ない方を超えた部分(上限200万円) 医療費の領収書、医療費控除の明細書
寄附金控除(ふるさと納税) 寄附金額 – 2,000円 寄附金受領証明書
住宅ローン控除(初年度) 年末ローン残高の0.7%(上限あり) 住宅借入金等特別控除額の計算明細書、住宅ローンの年末残高証明書等
雑損控除 災害・盗難等による損失額 被害証明書、損失額の計算書
注意: 退職所得は分離課税のため、これらの控除は退職所得の税額には影響しません。給与所得や年金所得など、総合課税の所得がある場合に効果があります。退職金のみの年は、これらの控除を適用しても還付を受けられないことがあります。
確定申告で還付を受けるためのチェックリスト
退職金の確定申告で還付を受けられるケースのチェックリスト

複数の会社から退職金を受け取った場合の調整

同一年内に複数の会社から退職金を受け取った場合、それぞれの会社では正しく計算していても、合算すると控除額の重複などにより調整が必要になります。

  • 退職所得控除の按分計算:勤続期間が重複している場合、控除額を適切に配分
  • 税率の段階適用:合算後の退職所得に対する正しい税率で再計算
  • 確定申告が必須:複数受給の場合は原則として確定申告が必要
kaikeiya.comからのアドバイス: 複数の退職金を受け取った場合の計算は非常に複雑です。国税庁のウェブサイトに計算ツールがありますが、確実性を期すなら税理士に相談することをお勧めします。

会社の計算ミスによる過大徴収

会社が退職所得の計算を誤っているケースも少なくありません。特に以下のような誤りに注意が必要です。

  1. 勤続年数の誤り:1年未満の端数切り上げを忘れている
  2. 20年超の計算式誤り:「40万円×年数」で計算してしまっている
  3. 2分の1課税の適用漏れ:控除後の金額全額を課税対象にしている
  4. 役員の短期退職手当の計算誤り:令和4年改正後のルールが適用されていない

これらの誤りがある場合、確定申告で正しい税額を申告することで還付を受けられます。

▲ 退職金の確定申告で還付を受ける方法を解説

退職金の確定申告手続き:必要書類と記入方法

退職金について確定申告をする場合の具体的な手続き方法を解説します。必要書類の準備から申告書の記入、提出方法まで順を追って説明します。

確定申告に必要な書類一覧

退職金の確定申告には、以下の書類が必要です。

書類名 入手先 備考
退職所得の源泉徴収票 退職した会社 必須。原本を提出(コピー不可)
給与所得の源泉徴収票 退職した会社(年の途中退職の場合) 退職年に給与がある場合は必須
確定申告書(第一表・第二表) 税務署またはe-Tax 申告書B(令和5年分以降は様式統一)
確定申告書(第三表・分離課税用) 税務署またはe-Tax 退職所得がある場合は必須
退職所得の受給に関する申告書(控え) 自分で保管している控え 提出した場合のみ(参考資料)
マイナンバーカード(または通知カード+本人確認書類) 本人確認のため
還付先口座の通帳 還付金の振込先情報

確定申告書の記入方法:ステップバイステップ

STEP 1:確定申告書第三表(分離課税用)の記入

退職所得は分離課税のため、まず第三表を記入します。

記入項目:

  • 「退職」欄の「収入金額」:源泉徴収票の「支払金額」を記入
  • 「退職」欄の「所得金額」:源泉徴収票から計算した退職所得を記入(または源泉徴収票に記載があればその金額)
  • 「税金の計算」欄:退職所得に対する税額を計算
  • 「源泉徴収税額」:源泉徴収票の「源泉徴収税額」を記入

STEP 2:確定申告書第二表の記入

所得の内訳や各種控除を記入します。

  • 所得の内訳:退職金の支払者(会社名)、金額、源泉徴収税額を記入
  • 社会保険料控除:退職後に支払った国民健康保険料、国民年金保険料等
  • 生命保険料控除:年末調整を受けていない場合
  • 配偶者控除・扶養控除:該当する場合

STEP 3:確定申告書第一表の記入

最終的な税額計算を行います。

記入項目:

  • 「収入金額等」:退職の欄に退職金額を記入
  • 「所得金額等」:退職所得を記入
  • 「所得から差し引かれる金額」:各種控除額を記入
  • 「税金の計算」:第三表で計算した税額を転記
  • 「還付される税金」:源泉徴収税額 – 正しい税額を記入
  • 「還付金の振込先」:口座情報を記入
確定申告書第三表の記入例(退職所得)
確定申告書第三表の退職所得欄の記入例

e-Taxでの申告方法

e-Tax(電子申告)を利用すると、自宅から24時間申告でき、還付金も早く振り込まれます。

  1. マイナンバーカードの準備:マイナンバーカードとICカードリーダーライター、またはマイナンバーカード読取対応のスマートフォン
  2. e-Taxの利用者識別番号取得:初めての場合はオンラインで取得
  3. 国税庁「確定申告書等作成コーナー」にアクセス:画面の指示に従って入力
  4. 源泉徴収票の内容を入力:源泉徴収票を見ながら必要事項を入力
  5. 控除情報の入力:各種控除の金額を入力
  6. 電子署名して送信:マイナンバーカードで電子署名し、データを送信
e-Taxのメリット:

  • 還付金が3週間程度で振り込まれる(書面提出は1~2ヶ月)
  • 24時間いつでも申告できる
  • 源泉徴収票等の添付書類の提出が不要(ただし5年間保管義務あり)
  • 自動計算機能で計算ミスを防げる

確定申告が初めての方や、会計ソフトの利用を検討している方は、freee vs マネーフォワード vs 弥生|個人事業主向け会計ソフト徹底比較2024も参考にしてください。多くの会計ソフトには確定申告書作成機能が搭載されており、簡単に申告書を作成できます。

申告期限と還付金の振込時期

退職金の還付申告には、以下のスケジュールがあります。

項目 期間・時期 備考
通常の確定申告期間 翌年2月16日~3月15日 納税が発生する場合はこの期間内に申告
還付申告の受付開始 翌年1月1日から 還付のみの場合は早めに申告可能
還付申告の期限 5年以内 退職年の翌年1月1日から5年間申告可能
還付金の振込(書面) 申告から1~2ヶ月後 税務署の処理状況により前後する
還付金の振込(e-Tax) 申告から3週間程度 書面より早く振り込まれる
ポイント: 還付申告は5年間さかのぼって申告できます。過去に退職金を受け取り、申告書を提出していなかった方は、今からでも還付を受けられる可能性があります。
e-Taxの確定申告書作成画面
国税庁e-Taxの確定申告書作成コーナー画面

税務署への書面提出方法

e-Taxを利用しない場合は、紙の申告書を作成して税務署に提出します。

  • 税務署窓口に持参:受付印を押した控えをもらえる(確実だが混雑時は待ち時間が長い)
  • 税務署の時間外収受箱に投函:24時間投函可能(控えには受付印が押されない)
  • 郵送:返信用封筒を同封すれば、受付印を押した控えが返送される
注意: 郵送の場合、消印の日付が提出日とみなされます。期限ギリギリの場合は、郵便局の窓口から送付し、消印を確実に押してもらいましょう。ポスト投函だと翌日の消印になる可能性があります。

退職後の税金と社会保険:総合的な資金計画

退職金の税金だけでなく、退職後の税金や社会保険料についても理解しておくことが重要です。退職後の生活設計に大きく影響するため、総合的に考えましょう。

退職後の住民税の仕組み

住民税は前年の所得に対して課税されるため、退職翌年に注意が必要です。

  • 在職中:給与から特別徴収(天引き)されている
  • 退職時:残りの住民税を一括徴収または普通徴収に切り替え
  • 退職翌年:前年の所得(退職金は除く)に対する住民税を自分で納付(普通徴収)
  • 退職翌々年:退職年の所得がなければ住民税は大幅減または非課税
具体例: 2024年3月退職の場合

  • 2024年4月~5月分:退職時に一括徴収または普通徴収
  • 2024年6月~2025年5月分:2023年の所得に対する住民税を自分で納付(年4回の分割払い)
  • 2025年6月~2026年5月分:2024年の所得(1~3月の給与のみ)に対する住民税(大幅減)