個人事業主として開業したけれど、確定申告のやり方が分からない…そんな不安を抱えている方は少なくありません。初めての確定申告は複雑に思えますが、手順を押さえれば誰でもスムーズに完了できます。この記事では、2024年に提出する確定申告の具体的なやり方を、必要書類から提出方法まで初心者向けに徹底解説します。
個人事業主が確定申告をする理由と期限
個人事業主は、1年間の事業所得を自ら計算して税務署に申告する義務があります。会社員時代は会社が年末調整をしてくれましたが、独立後は自分で所得税を確定させる必要があるのです。
確定申告が必要な人
- 事業所得がある個人事業主・フリーランス
- 年間所得が基礎控除額(48万円)を超える人
- 青色申告の承認を受けている人(所得の有無にかかわらず申告が推奨されます)
- 消費税の課税事業者(別途消費税申告も必要)
2024年提出分の申告期限
令和5年分(2023年1月1日〜12月31日)の所得に対する確定申告は、2024年2月16日(金)〜3月15日(金)が提出期限です。この期間内に前年1年間の所得を申告し、納税します。期限を過ぎると延滞税や無申告加算税が課される可能性があるため注意が必要です。
青色申告と白色申告の違いと選び方
個人事業主の確定申告には「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。それぞれメリット・デメリットがあり、事業規模や記帳能力に応じて選択します。
| 項目 | 青色申告 | 白色申告 |
|---|---|---|
| 事前届出 | 必要(開業から2ヶ月以内または3月15日まで) | 不要 |
| 特別控除 | 最大65万円または55万円、10万円 | なし |
| 記帳方法 | 複式簿記(65万円控除の場合) | 簡易な記帳 |
| 赤字の繰越 | 3年間繰越可能 | 不可 |
| 家族への給与 | 専従者給与として全額経費化可能 | 専従者控除(配偶者86万円、その他50万円) |
| 30万円未満の資産 | 一括経費計上可能(年間300万円まで) | 減価償却が必要 |
どちらを選ぶべきか
青色申告がおすすめの人:年間所得が300万円以上ある、節税メリットを最大化したい、会計ソフトを利用できる方。最大65万円の特別控除は大きな節税効果があります。
白色申告がおすすめの人:事業を始めたばかりで所得が少ない、記帳に時間をかけられない方。ただし、現在は白色申告でも記帳義務があるため、会計ソフトを使えば青色申告のハードルも高くありません。
確定申告に必要な書類と事前準備
スムーズに確定申告を進めるには、事前に必要書類を揃えておくことが重要です。提出直前に慌てないよう、日頃から書類を整理しておきましょう。
必ず必要な書類
- 確定申告書(第一表・第二表):税務署で入手またはe-Taxで作成
- 青色申告決算書または収支内訳書:1年間の収支をまとめた書類
- 本人確認書類:マイナンバーカードまたは通知カード+身分証明書
- 銀行口座情報:還付金の振込先または納税用
控除を受けるために必要な書類
- 社会保険料控除:国民健康保険、国民年金の支払証明書
- 生命保険料控除:保険会社からの控除証明書
- 医療費控除:医療費の領収書または医療費控除の明細書
- 小規模企業共済等掛金控除:iDeCoなどの掛金証明書
- 寄附金控除:ふるさと納税の受領証明書
事業に関する書類
- 売上台帳・請求書・領収書
- 経費の領収書・レシート
- 通帳のコピーまたは取引明細
- クレジットカードの利用明細
- 固定資産台帳(10万円以上の資産を購入した場合)
これらの書類は、7年間の保存義務があります(白色申告の場合は一部5年間)。税務調査に備えて、年度ごとにファイリングしておくことをおすすめします。
確定申告の具体的な手順【ステップ別解説】
ここでは、会計屋.comが推奨する確定申告の標準的な流れを、ステップごとに解説します。
ステップ1:帳簿を締めて決算書を作成する(1月〜2月初旬)
12月31日で帳簿を締め、1年間の収支を確定させます。会計ソフトを使っている場合は、取引の入力漏れがないか確認し、残高試算表で銀行残高と帳簿残高が一致しているかチェックします。
青色申告の場合:青色申告決算書(4ページ)を作成します。損益計算書、貸借対照表、減価償却費の計算などを記載します。
白色申告の場合:収支内訳書(2ページ)を作成します。売上と経費を科目別に集計します。
ステップ2:所得控除の金額を確認する(2月初旬)
社会保険料や生命保険料など、所得から差し引ける控除の金額を計算します。控除証明書を手元に用意し、各控除額を集計しておきましょう。
ステップ3:確定申告書を作成する(2月中旬)
決算書と控除額が確定したら、確定申告書を作成します。作成方法は以下の3つから選べます。
- 国税庁の確定申告書等作成コーナー:無料で使える公式ツール。画面の指示に従って入力するだけで申告書が完成します
- 会計ソフト:freee、マネーフォワード、弥生会計などを使えば、日々の記帳データから自動で申告書を作成できます
- 手書き:税務署で配布される用紙に手書きで記入する方法。計算ミスに注意が必要です
ステップ4:申告書を提出する(2月16日〜3月15日)
完成した申告書を提出します。提出方法は次のセクションで詳しく解説します。
ステップ5:納税または還付を受ける(3月15日まで)
所得税が発生する場合は、3月15日までに納税します。口座振替、クレジットカード、コンビニ納付、e-Taxでの電子納税などが選べます。還付がある場合は、1〜2ヶ月後に指定口座に振り込まれます。
確定申告の3つの提出方法とe-Taxのやり方
確定申告書の提出方法は、主に3つあります。それぞれの特徴を理解し、自分に合った方法を選びましょう。
方法1:税務署の窓口に持参する
最も従来的な方法です。管轄の税務署に直接出向き、申告書を提出します。職員に確認してもらえる安心感がありますが、申告期間中は混雑するため長時間待つこともあります。受付印を押した控えを必ずもらいましょう。
方法2:郵送で提出する
申告書を管轄税務署に郵送する方法です。「信書」扱いとなるため、普通郵便またはレターパックで送ります。提出日は消印日になります。控えを返送してもらう場合は、返信用封筒(切手貼付)を同封します。
方法3:e-Tax(電子申告)で提出する【おすすめ】
インターネットを通じて申告するe-Taxは、現在最も推奨されている方法です。自宅から24時間いつでも提出でき、青色申告特別控除も最大65万円が適用されます(電子申告しない場合は55万円)。
e-Taxで申告する手順
事前準備:
- マイナンバーカードを取得する(またはID・パスワード方式を税務署で登録)
- ICカードリーダーを用意する(またはスマートフォンで読み取り可能)
- e-Taxソフトまたは確定申告書等作成コーナーにアクセス
申告の流れ:
- 確定申告書等作成コーナーにアクセス
- 「作成開始」を選択し、マイナンバーカードでログイン
- 画面の指示に従って収入・所得・控除を入力
- 税額が自動計算される
- 申告内容を確認して送信
- 受信通知をダウンロード(提出完了の証明)
e-Taxを利用すると、還付金がある場合は通常より2〜3週間早く振り込まれるメリットもあります。2024年現在、国も電子申告を推進しており、将来的には主流になると考えられます。
よくあるミスと注意点
初めての確定申告では、以下のようなミスが起こりがちです。提出前に必ずチェックしましょう。
記入・計算ミス
- 控除額の記入漏れ:社会保険料や生命保険料控除を忘れずに記載しましょう
- 経費の計上漏れ:事業用の経費をすべて計上できているか確認します
- 按分計算のミス:自宅兼事務所の家賃や光熱費は、事業按分率を合理的に設定します
- 消費税の扱い:税込経理か税抜経理か、方式を統一します
書類の不備
- 本人確認書類の添付忘れ:マイナンバーと身元確認書類が必要です
- 控除証明書の添付漏れ:各種控除には証明書の添付が必要です(e-Taxの場合は省略可能なものもあります)
- 押印漏れ:令和3年度税制改正により、確定申告書への押印は不要になりましたが、一部の書類には必要な場合があります
期限に関する注意
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