会計ソフトの複数事業対応比較|副業・複数店舗の帳簿を1つで管理


複数の事業を行っている個人事業主やフリーランスの方にとって、事業ごとに収支を分けて管理することは税務上も経営管理上も重要です。しかし、「副業分を別に管理したい」「複数店舗の売上を分けて把握したい」という場合、会計ソフトによって対応状況が大きく異なります。事業ごとに別のソフトを契約すると費用も手間も倍増してしまうため、1つのソフトで複数事業を管理できるかどうかは重要なポイントです。

本記事では、主要な会計ソフトの複数事業対応機能を徹底比較し、副業・複数店舗・部門別管理など、あなたのビジネス形態に最適なソフトの選び方を解説します。freee弥生マネーフォワードなどの具体的な設定方法や、税務上の注意点も含めて詳しくご紹介します。

会計屋.comでは、個人事業主の実務に即した会計ソフト情報を提供しています。この記事を読めば、複数事業の帳簿管理に最適なソフトが見つかるはずです。

複数事業を1つの会計ソフトで管理するメリット

複数の事業や副業を行っている場合、それぞれを別々に管理するのではなく、1つの会計ソフトで統合管理することには大きなメリットがあります。

コスト削減と業務効率化

複数の会計ソフトを契約すると、それぞれに月額料金が発生します。例えば、月額2,000円のソフトを3つ契約すれば年間72,000円のコストになります。1つのソフトで複数事業に対応できれば、この費用を大幅に削減できます。

ポイント: 1つのソフトで複数事業を管理すれば、ログイン情報の管理も一元化でき、毎日の記帳作業がスムーズになります。
  • 複数のソフトへのログイン・切り替えが不要
  • 銀行口座やクレジットカードの連携設定が一度で済む
  • 確定申告時に複数ソフトのデータを集計する手間が不要
  • ライセンス費用の削減(1つの契約で済む)
複数事業を1つの会計ソフトで管理するイメージ図
1つのソフトで複数事業を統合管理すると業務効率が大幅に向上

税務申告の正確性向上

個人事業主の確定申告では、すべての事業所得を合算して申告します。複数のソフトで別々に管理していると、集計ミスや転記ミスのリスクが高まります。1つのソフトで一元管理すれば、自動的に合算された正確な数字で申告できます。

事業別損益の可視化

部門管理機能やタグ機能を使えば、全体の収支を把握しながら、事業ごとの利益率や成長率も同時に分析できます。これにより、どの事業に注力すべきか、どの事業を見直すべきかといった経営判断が容易になります。

主要会計ソフトの複数事業対応機能比較

ここでは、個人事業主に人気の主要会計ソフトについて、複数事業への対応状況を詳しく比較します。

ソフト名 複数事業対応 機能名 追加料金
freee タグ機能(無制限) なし
弥生会計オンライン 補助科目・メモタグ なし
マネーフォワード 部門管理(プランにより制限) パーソナルプラスのみ
勘定奉行クラウド 部門管理・セグメント なし(法人向け)
やよいの青色申告 補助科目のみ なし

freeeの複数事業対応(タグ機能)

freeeは「タグ機能」を使って複数事業を管理します。取引登録時にタグを付けることで、事業別・プロジェクト別・店舗別など自由な軸で収支を分析できます。

  • タグは無制限に作成可能(例:「本業」「副業」「店舗A」「店舗B」)
  • 1つの取引に複数タグを付けることも可能
  • 集計レポートでタグ別の損益を自動表示
  • スターター・スタンダード・プレミアム全プランで利用可能
STEP 1: 設定メニューから「タグ」を選択し、事業名でタグを作成
STEP 2: 取引登録時に該当するタグを選択
STEP 3: レポート画面で「タグ別」を選択して事業別損益を確認
freeeのタグ機能設定画面
freeeのタグ機能で事業別に収支を分類

弥生会計オンラインの複数事業対応

弥生会計オンラインでは、補助科目機能とメモタグを組み合わせることで複数事業の管理が可能です。ただし、専用の部門管理機能はないため、やや工夫が必要です。

  • 売上高・仕入高などに補助科目を設定(例:「売上高-本業」「売上高-副業」)
  • メモタグで取引を分類(検索・抽出に便利)
  • 残高試算表で補助科目別の集計が可能
  • セルフプラン・ベーシックプラン共に利用可能

マネーフォワードクラウド確定申告の部門管理

マネーフォワードは「部門管理」機能を提供していますが、個人事業主向けの「パーソナルプラス」プラン(年額35,760円)以上でのみ利用可能です。

  • 部門を最大10個まで設定可能
  • 取引登録時に部門を選択
  • 部門別損益計算書・貸借対照表の自動生成
  • パーソナルミニ・パーソナルプランでは利用不可
注意: マネーフォワードで部門管理を使うには上位プランへのアップグレードが必要です。月額換算で2,980円のコストがかかります。

▲ 会計ソフトの複数事業管理機能の使い方解説

複数事業管理の具体的な活用シーン

実際のビジネスシーンでは、どのような場合に複数事業管理機能が必要になるのでしょうか。代表的なケースを見ていきましょう。

本業と副業を分けて管理

本業の個人事業に加えて、副業で別の収入がある場合、それぞれの損益を把握することで事業判断がしやすくなります。

  • 例: デザイン業(本業)+ ブログ収入(副業)
  • 目的: 副業の収益性を正確に測定し、事業拡大の判断材料にする
  • 設定: freeeのタグで「本業デザイン」「副業ブログ」を作成
本業と副業を分けた損益管理の例
本業と副業を明確に分けることで各事業の収益性が見える化

複数店舗の収支管理

飲食店や小売店を複数展開している場合、店舗ごとの売上・経費を分けて管理することで、店舗別の収益性分析が可能になります。

  • 例: カフェ2店舗(A店・B店)の運営
  • 目的: 各店舗の人件費率・原価率を比較し、経営改善に活かす
  • 設定: 取引ごとに「A店」「B店」のタグを付与

業種別の収入管理


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