経理初心者が最初に覚えるべき仕訳パターン20選|実例付き解説


「売上が発生したけど、この仕訳ってどう書くんだっけ?」「経費を支払ったけど、借方・貸方がわからない…」――個人事業主やフリーランスとして開業したばかりの方は、こうした仕訳の悩みを必ず経験します。簿記の知識がなくても確定申告は必要ですから、最低限の仕訳パターンは押さえておく必要があります。実は、日常的に使う仕訳は20種類ほどのパターンに集約でき、これらを覚えるだけで経理業務の大半をカバーできるのです。

この記事では、経理初心者が最初に覚えるべき仕訳パターン20選を、実例付きで徹底解説します。売上・仕入・経費・税金・借入金など、個人事業主が実務で必ず遭遇する取引を網羅的に取り上げ、それぞれの仕訳ルールと具体的な記帳例をご紹介。さらに、仕訳の覚え方のコツや、会計ソフトを使った効率化の方法、よくあるミスとその対処法まで詳しく解説します。

この記事を読めば、仕訳に対する苦手意識がなくなり、自信を持って日々の経理業務に取り組めるようになります。青色申告で最大65万円の控除を受けるためにも、正確な仕訳は不可欠。会計屋.comが、初心者の方でもすぐに実践できる仕訳の基礎を、わかりやすくお伝えします。

仕訳帳のイメージ図と電卓
経理業務の基本となる仕訳帳。毎日の取引を正確に記録することが確定申告の第一歩です

仕訳とは?基本の「キ」を押さえる

仕訳とは、事業における取引を「借方」と「貸方」に分けて記録する作業のことです。複式簿記という記帳方法の基本で、すべての取引は必ず「お金や資産が増えた側」と「お金や資産が減った側」の2つの側面から記録します。

借方と貸方の基本ルール

仕訳で最も混乱するのが「借方(かりかた)」と「貸方(かしかた)」という用語です。これらは単なる左側・右側を表す呼び名で、特別な意味はありません。重要なのは、勘定科目ごとにどちらに記入するかが決まっているという点です。

勘定科目の種類 増加したとき 減少したとき 具体例
資産 借方(左) 貸方(右) 現金、預金、売掛金、備品
負債 貸方(右) 借方(左) 買掛金、借入金、未払金
純資産 貸方(右) 借方(左) 元入金、事業主借
収益 貸方(右) 借方(左) 売上、雑収入
費用 借方(左) 貸方(右) 仕入、通信費、水道光熱費

仕訳の基本フォーマット

仕訳は以下のような形式で記録します。手書きの仕訳帳でも、会計ソフトでも、この基本構造は同じです。

日付:2024年1月10日
借方:現金 50,000円 / 貸方:売上 50,000円
摘要:A社より1月分コンサルティング料受領

この例では、「現金という資産が増えた(借方)」一方で、「売上という収益が発生した(貸方)」ことを示しています。借方と貸方の金額は必ず一致するのが複式簿記の大原則です。

ポイント: 借方と貸方の金額が一致していないと「仕訳が合わない」状態になり、決算ができません。必ず左右の合計が同じになるよう記入しましょう。

個人事業主特有の勘定科目

個人事業主の仕訳では、法人と異なる特有の勘定科目があります。特に重要なのが「事業主貸」と「事業主借」です。

  • 事業主貸:事業のお金をプライベートで使ったとき(生活費の引き出し、個人的な買い物など)
  • 事業主借:個人のお金を事業に入れたとき(事業資金の補填、個人カードで経費を立て替えたときなど)

これらの勘定科目は法人には存在せず、個人事業主特有のものです。事業とプライベートの境界を明確にするために使います。

借方と貸方の関係を示す図解
借方・貸方の基本ルール。資産と費用は借方で増加、負債・純資産・収益は貸方で増加します

収入・売上に関する仕訳パターン【1〜5】

事業の基本である売上・収入に関する仕訳パターンを5つご紹介します。個人事業主の収入形態は多様ですが、基本的な考え方は同じです。

【パターン1】現金売上(即日入金)

商品やサービスを提供して、その場で現金を受け取った場合の仕訳です。最もシンプルな売上計上のパターンです。

取引例:カフェ経営者が本日の売上30,000円を現金で受け取った

借方:現金 30,000円 / 貸方:売上 30,000円
摘要:本日の現金売上

飲食店や小売店など、現金商売の事業者にとって最も頻繁に発生する仕訳です。レジの金額と仕訳の金額が一致するよう、毎日しっかり記録しましょう。

【パターン2】預金口座への振込売上

クライアントから銀行振込で報酬を受け取った場合の仕訳です。フリーランスや受注型ビジネスでは、こちらが主流になります。

取引例:B社からコンサルティング料500,000円が普通預金に振り込まれた(振込手数料440円差し引き)

借方:普通預金 499,560円 / 貸方:売上 500,000円
借方:支払手数料 440円
摘要:B社1月分コンサルティング料(振込手数料440円先方負担)

振込手数料を先方が負担する場合でも、会計上は売上全額を計上し、手数料は経費として処理します。この点は税務上も重要なポイントです。

ポイント: 振込手数料を差し引いた金額だけを売上として計上するのは誤りです。必ず売上全額を記録し、手数料は別途経費計上しましょう。

【パターン3】売掛金の発生と回収

請求書を発行して後日入金される取引では、「売掛金」を使った2段階の仕訳が必要です。これは発生主義という会計原則に基づくもので、青色申告では必須の処理です。

取引例①:1月15日、C社に200,000円の業務を完了し請求書を発行

借方:売掛金 200,000円 / 貸方:売上 200,000円
摘要:C社1月分ウェブ制作代金

取引例②:2月末日、C社から200,000円が普通預金に入金された

借方:普通預金 200,000円 / 貸方:売掛金 200,000円
摘要:C社1月分入金

この処理により、売上は実際に仕事をした月(1月)に計上され、入金は2月に処理されます。これが正しい発生主義の記帳方法です。

【パターン4】源泉徴収された報酬の受取

原稿料やデザイン料など、報酬から源泉所得税が差し引かれて入金される場合の仕訳です。フリーランスには非常に多いパターンです。

取引例:D社から原稿料100,000円(源泉税10,210円差し引き後89,790円入金)

借方:普通預金 89,790円 / 貸方:売上 100,000円
借方:事業主貸 10,210円
摘要:D社原稿料(源泉税10,210円)

源泉徴収された金額は「事業主貸」で処理します。これは確定申告で還付または精算される前払い税金だからです。年末に支払調書を確認して、源泉徴収額の合計が正しいか必ずチェックしましょう。

注意: 源泉徴収額を経費として処理するのは誤りです。事業主貸として処理し、確定申告で精算するのが正しい方法です。

【パターン5】雑収入(事業に付随する収入)

本業以外の収入、例えば不要備品の売却代金や還付金などは「雑収入」で処理します。

取引例:使わなくなったパソコンをフリマアプリで売却し、15,000円が入金された

借方:普通預金 15,000円 / 貸方:雑収入 15,000円
摘要:不要備品売却代

雑収入も事業所得の一部として確定申告に含めます。金額が小さくても必ず記帳しましょう。

請求書と入金確認の画面
請求書発行時と入金時で仕訳が異なります。売掛金の管理は事業の資金繰りにも直結します

▲ 売上計上と売掛金管理の基本を動画で解説

経費支払いに関する仕訳パターン【6〜12】

経費の仕訳は種類が多く複雑に感じますが、基本的な考え方は同じです。ここでは頻出する7つの経費パターンを解説します。

【パターン6】消耗品費(文房具・少額備品など)

10万円未満の備品や文房具、日用品などは「消耗品費」として処理します。

取引例:文房具店でボールペンやノート等を3,500円分購入し現金で支払った

借方:消耗品費 3,500円 / 貸方:現金 3,500円
摘要:文房具購入

消耗品費は購入時に全額経費計上できる便利な科目です。ただし、大量に購入して在庫として保管する場合は、期末に棚卸が必要になります。

【パターン7】通信費(電話・インターネット代)

携帯電話代やインターネット回線費用は「通信費」として処理します。自宅兼事務所の場合は按分が必要です。

取引例:携帯電話料金8,000円が事業用口座から引き落とされた(事業利用70%)

借方:通信費 5,600円 / 貸方:普通預金 8,000円
借方:事業主貸 2,400円
摘要:携帯電話料金(事業按分70%)

家事按分の割合は合理的な根拠があれば認められます。例えば「業務用の通話時間が全体の70%」「業務日数が月21日/30日」などの基準を設けて、一貫して適用しましょう。

ポイント: 家事按分は毎月同じ割合を使うのが基本です。月によって割合を変えると、税務調査で指摘される可能性があります。

【パターン8】水道光熱費(電気・ガス・水道)

自宅兼事務所の場合、電気代なども按分して経費計上できます。

取引例:電気代12,000円が個人口座から引き落とされた(事業利用30%)

借方:水道光熱費 3,600円 / 貸方:事業主借 3,600円
摘要:電気代(事業按分30%)

個人口座から引き落とされた場合は「事業主借」を使います。事業用の経費を個人のお金で払った、という意味です。

【パターン9】交通費・旅費交通費

電車代やタクシー代、出張時の宿泊費などは「旅費交通費」として処理します。

取引例:クライアント訪問のためタクシー代2,500円を現金で支払った

借方:旅費交通費 2,500円 / 貸方:現金 2,500円
摘要:E社訪問タクシー代

Suicaなどの交通系ICカードは、チャージ時ではなく使用時に経費計上するのが正確ですが、実務では継続適用を条件にチャージ時計上も認められています。

領収書と会計ソフトの入力画面
経費の仕訳は領収書を見ながら正確に入力。摘要欄には用途を具体的に記載しましょう

【パターン10】接待交際費(打ち合わせ飲食代など)

クライアントとの飲食代や贈答品代は「接待交際費」として処理します。

取引例:F社担当者との打ち合わせで飲食代8,000円をクレジットカードで支払った

借方:接待交際費 8,000円 / 貸方:未払金 8,000円
摘要:F社打ち合わせ飲食代

クレジットカード払いの場合、支払い時点では「未払金」として処理し、実際に口座から引き落とされたときに未払金を消し込みます。

注意: 個人事業主の接待交際費は上限なく経費にできますが、プライベートな飲食との区別が重要です。領収書裏に「誰と・何のため」をメモする習慣をつけましょう。

【パターン11】外注費(業務委託費)

他の事業者に仕事を外注した場合は「外注費」として処理します。

取引例:デザイナーに50,000円の業務を委託し、普通預金から振り込んだ(振込手数料330円)

借方:外注費 50,000円 / 貸方:普通預金 50,330円
借方:支払手数料 330円
摘要:G氏デザイン外注費

外注費は売上原価に近い性質を持つ重要な経費です。年間100万円を超える外注費がある場合、相手先の詳細を記録しておくと、税務調査時にスムーズです。

【パターン12】地代家賃(事務所・店舗家賃)

事務所や店舗の家賃は「地代家賃」で処理します。自宅兼事務所の場合は按分が必要です。

取引例:自宅家賃90,000円が個人口座から引き落とされた(事業利用25%)

借方:地代家賃 22,500円 / 貸方:事業主借 22,500円
摘要:自宅家賃(事業按分25%)

自宅兼事務所の場合、按分の根拠は床面積比率が最も合理的です。例えば「60㎡の自宅のうち15㎡を事務スペースとして使用=25%」といった計算です。

経費の詳しい範囲については、フリーランスエンジニアの経費はどこまでOK?認められる経費一覧と節税術の記事で詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。

税金・社会保険に関する仕訳パターン【13〜15】

個人事業主が支払う税金や社会保険料の仕訳は、法人とは異なる処理が必要です。ここでは混乱しやすい3つのパターンを解説します。

【パターン13】所得税・住民税の支払い

個人事業主の所得税や住民税は経費にならず、「事業主貸」で処理します。これは法人の法人税とは大きく異なる点です。

取引例:確定申告による所得税150,000円を普通預金から納付した

借方:事業主貸 150,000円 / 貸方:普通預金 150,000円
摘要:所得税納付

所得税・住民税・国民健康保険料・国民年金は、すべて「事業主貸」で処理し、経費にはなりません。ただし、確定申告時に所得控除として申告できます。

ポイント: 経費にはなりませんが、確定申告書の「社会保険料控除」「生命保険料控除」などで税負担を軽減できます。領収書や証明書は必ず保管しましょう。

【パターン14】消費税の支払い(課税事業者の場合)

消費税の課税事業者になった場合、消費税の納付は「事業主貸」で処理します。

取引例:消費税80,000円を普通預金から納付した

借方:事業主貸 80,000円 / 貸方:普通預金 80,000円
摘要:消費税納付

消費税も所得税と同様、個人事業主の場合は経費になりません。ただし、消費税の経理方式(税込・税抜)によって処理が異なる場合もあるため、税理士に相談することをおすすめします。

【パターン15】事業税の支払い

個人事業税は、実は唯一経費として認められる税金です。「租税公課」として処理します。

取引例:個人事業税30,000円を普通預金から納付した

借方:租税公課 30,000円 / 貸方:普通預金 30,000円
摘要:個人事業税納付

個人事業税は所得に応じて都道府県が課税するもので、ほとんどの業種で事業所得290万円超から課税されます(税率3~5%、業種により異なる)。

税金の種類 仕訳科目 経費算入 備考
所得税 事業主貸 不可 所得控除で調整
住民税 事業主貸 不可 所得控除で調整
個人事業税 租税公課 可能 唯一経費にできる税金
消費税 事業主貸 不可 課税事業者のみ
国民健康保険 事業主貸 不可 社会保険料控除で調整
国民年金 事業主貸 不可 社会保険料控除で調整
税金納付書と通帳
税金の仕訳は種類によって処理が異なります。特に個人事業税だけは経費算入可能な点に注意

資産・備品に関する仕訳パターン【16〜18】

10万円以上の資産を購入した場合や、預金の移動などに関する仕訳パターンを3つ解説します。

【パターン16】固定資産の取得(10万円以上の備品)

10万円以上の資産は、購入時に全額経費にできず、固定資産として計上し、減価償却する必要があります。

取引例:業務用パソコン150,000円を購入し、普通預金から支払った

借方:工具器具備品 150,000円 / 貸方:普通預金 150,000円
摘要:業務用パソコン購入

この仕訳では、まだ経費にはなりません。年度末に減価償却費として計上することで、初めて経費になります。パソコンの法定耐用年数は4年なので、年間37,500円(定額法の場合)ずつ経費計上していきます。

節税テクニック: 青色申告の場合、30万円未満の資産は「少額減価償却資産の特例」により、一括で経費計上できます(年間合計300万円まで)。この特例を使えば、29万円のパソコンも購入年に全額経費にできます。

【パターン17】減価償却費の計上(期末処理)

固定資産を持っている場合、毎年12月31日(決算日)に減価償却費を計上します。

取引例:期末に、先ほど購入したパソコンの減価償却費を計上(定額法、耐用年数4年、1年目)

借方:減価償却費 37,500円 / 貸方:工具器具備品 37,500円
摘要:パソコン減価償却費

減価償却費の計算は複雑なので、会計ソフトの固定資産管理機能を使うと自動計算してくれて便利です。

【パターン18】事業用口座間の資金移動

複数の事業用口座を持っている場合、口座間でお金を移動させることがあります。この場合、収入や支出ではないので、預金科目同士の振替として処理します。

取引例:普通預金から定期預金に100,000円を預け入れた

借方:定期預金 100,000円 / 貸方:普通預金 100,000円
摘要:定期預金へ預入

この仕訳では、資産(預金)の形が変わっただけで、利益には影響しません。逆に、事業用口座から生活費を引き出した場合は「事業主貸」を使います。

減価償却の概念図
減価償却は固定資産の価値を毎年少しずつ経費化する会計処理。耐用年数は資産の種類ごとに定められています

借入・返済に関する仕訳パターン【19〜20】

事業資金の借入と返済に関する仕訳は、利息の扱いが重要なポイントです。

【パターン19】借入金の受入

銀行や日本政策金融公庫から融資を受けた場合の仕訳です。

取引例:日本政策金融公庫から2,000,000円の融資を受け、普通預金に入金された

借方:普通預金 2,000,000円 / 貸方:借入金 2,000,000円
摘要:日本政策金融公庫融資実行

借入金は負債であり、収入(売上)ではありません。したがって借入金自体は課税対象にならず、返済額も経費にはなりません。ただし、利息部分は経費になります。

【パターン20】借入金の返済(元本+利息)

毎月の返済は、元本部分と利息部分に分けて処理します。

取引例:借入金返済50,000円(元本48,000円+利息2,000円)が普通預金から引き落とされた

借方:借入金 48,000円 / 貸方:普通預金 50,000円
借方:支払利息 2,000円
摘要:借入金返済(元本48,000円、利息2,000円)

元本部分は「借入金」という負債を減らす処理で経費にはなりませんが、利息部分は「支払利息」として経費になります。金融機関の返済予定表を見れば、元本と利息の内訳がわかります。

ポイント: 返済予定表は必ず保管しましょう。税務調査では「この支払いは何か」を証明する重要な資料になります。
融資返済予定表のサンプル
返済予定表には元本と利息の内訳が記載されています。この情報を元に正確な仕訳を行いましょう

仕訳パターンを効率的に覚える5つのコツ

20の仕訳パターンをご紹介しましたが、すべてを暗記する必要はありません。効率的に覚えるコツを5つお伝えします。

1. 仕訳の「型」で覚える

仕訳には基本的な「型」があります。以下の4つのパターンを覚えれば、ほとんどの仕訳に対応できます。

  • 現金取引型:現金 / 売上(収入があった)、経費 / 現金(支出した)
  • 預金取引型:普通預金 / 売上(入金があった)、経費 / 普通預金(引き落とされた)
  • 掛取引型:売掛金 / 売上(請求した)→ 普通預金 / 売掛金(入金された)
  • 未払型:経費 / 未払金(カード払い)→ 未払金 / 普通預金(引き落とし)

この4パターンで、日常的な仕訳の90%以上をカバーできます。

2. 会計ソフトのテンプレート機能を活用

freeeやマネーフォワードなどの会計ソフトには、よく使う仕訳を登録できるテンプレート機能があります。一度正しい仕訳を作れば、次回からワンクリックで入力できます。

STEP 1: 頻繁に発生する取引(家賃、通信費など)の仕訳を正確に作成
STEP 2: 「仕訳テンプレート」や「自動仕訳ルール」として保存
STEP 3: 次回からテンプレートを呼び出して金額だけ変更

会計ソフトの選び方については、freee vs マネーフォワード vs 弥生|個人事業主向け会計ソフト徹底比較2024で詳しく比較していますので、ご参照ください。

3. 摘要欄を詳しく書く習慣をつける

摘要欄(取引内容のメモ)を詳しく書いておくと、後から見返したときに「この仕訳は何だったか」がすぐわかります。

悪い例 良い例
消耗品費 3,000円 消耗品費 3,000円/文房具店にて事務用品購入(ノート5冊、ペン10本)
交際費 8,000円 交際費 8,000円/H社田中氏と新規案件打ち合わせ(○○居酒屋)
売上 50,000円 売上 50,000円/I社1月分コンサルティング料(請求書No.2024-001)

特に交際費や旅費交通費は税務調査で指摘されやすいので、「誰と・何のために・どこで」を明記しておくと安心です。

4. 日次・週次で記帳する習慣をつける

溜め込んで一気に処理しようとすると、領収書が紛失したり、取引内容を忘れたりします。理想は毎日10分、難しければ週に1回まとめて記帳する習慣をつけましょう。

おすすめの記帳サイクル:
・毎営業日:レシートや領収書をスマホで撮影(会計ソフトのアプリ機能を活用)
・週1回:撮影した領収書を見ながら仕訳入力
・月1回:預金通帳と会計ソフトの残高を照合(残高確認)

5. 迷ったら税理士に相談する

複雑な取引や高額な取引については、自己判断せず税理士に相談しましょう。間違った仕訳で申告すると、後から修正申告が必要になり、延滞税などのペナルティが発生する可能性もあります。

特に以下のような場合は専門家の助言を得ることをおすすめします:

  • 固定資産の取得(減価償却の計算)
  • 不動産の購入や売却
  • 棚卸資産の評価(在庫を持つ業種)
  • 複雑な外注費や業務委託契約
  • 消費税の課税事業者になったとき
会計ソフトのダッシュボード画面
現代の会計ソフトは銀行口座やクレジットカードと連携し、自動で仕訳候補を提案してくれます

▲ 会計ソフトを使った効率的な仕訳入力方法を解説

仕訳でよくある間違い10選と正しい処理方法

初心者がよくやってしまう仕訳ミスと、その正しい処理方法をまとめました。

間違い1:振込手数料を売上から引いてしまう

❌ 間違った仕訳:
普通預金 99,560円 / 売上 99,560円
⭕ 正しい仕訳:
普通預金 99,560円 / 売上 100,000円
支払手数料 440円

売上は全額計上し、手数料は別途経費として処理するのが正しい方法です。

間違い2:クレジットカード払いを即座に経費計上

❌ 間違った仕訳(1月10日にカードで購入):
消耗品費 5,000円 / 普通預金 5,000円

この時点ではまだ口座から引き落とされていません。正しくは2段階の仕訳が必要です。

⭕ 正しい仕訳:
【1月10日 購入時】
消耗品費 5,000円 / 未払金 5,000円

【2月27日 引き落とし時】
未払金 5,000円 / 普通預金 5,000円

間違い3:家事按分を忘れる

自宅兼事務所の家賃や光熱費を100%経費にしてしまうケースです。

❌ 間違った仕訳:
地代家賃 100,000円 / 事業主借 100,000円
⭕ 正しい仕訳(事業利用30%の場合):
地代家賃 30,000円 / 事業主借 30,000円

残りの70,000円はプライベート費用として、仕訳に含めません。

間違い4:プライベート支出を経費にする

事業用口座から生活費を引き出したのに、経費として処理してしまうケースです。

❌ 間違った仕訳:
消耗品費 50,000円 / 普通預金 50,000円
摘要:生活費
⭕ 正しい仕訳:
事業主貸 50,000円 / 普通預金 50,000円
摘要:生活費引き出し

間違い5:源泉徴収税を経費にする