個人事業税とは?課税対象の業種一覧と計算方法・節税のポイント


個人事業主として事業が軌道に乗り始めると、所得税や住民税に加えて「個人事業税」という税金が課されることをご存知でしょうか。事業所得が一定額を超えた際に初めて納付書が届き、「こんな税金があったのか」と驚く方も少なくありません。個人事業税は業種によって税率が異なり、中には課税対象外の業種もあるため、自分の事業が該当するかどうかを正確に把握することが重要です。

本記事では、個人事業税の仕組みから課税対象となる業種の一覧、具体的な計算方法、さらには節税のポイントまで徹底解説します。フリーランスや個人事業主の方が押さえるべき290万円控除の活用法や、確定申告との関係についても詳しく説明していきます。

会計屋.comでは、個人事業主の皆さまが税務や会計で迷わないよう、実務に即した情報を分かりやすくお届けしています。この記事を読めば、個人事業税に関する不安を解消し、適切な税務対応ができるようになるでしょう。

個人事業税とは?基本的な仕組みを理解する

個人事業税は、地方税法に基づいて都道府県が課税する地方税の一種です。個人が営む事業に対して課される税金であり、事業所得が一定額を超えた場合に納付義務が発生します。

個人事業税の法的根拠と課税主体

個人事業税は地方税法第72条に規定されており、事業を行う個人に対して都道府県が課税します。課税主体が都道府県であるため、納付先は事業所所在地の都道府県税事務所となります。所得税が国税であるのに対し、個人事業税は地方税という位置づけです。

この税金は「事業を営む個人が公共サービスの恩恵を受けている」という応益原則に基づいて課税されます。道路や公共施設などのインフラを事業活動に利用していることから、その対価として納税する性格を持っています。

ポイント: 個人事業税は確定申告とは別に、都道府県から納税通知書が送付されます。自分で計算して申告する必要はありません(確定申告の情報が自動的に都道府県に通知されます)。

所得税・住民税との違い

個人事業主が納める主な税金には、所得税(国税)、住民税(地方税)、個人事業税(地方税)の3つがあります。それぞれの違いを理解しておきましょう。

税金の種類 課税主体 課税対象 控除額
所得税 総所得金額 基礎控除48万円など各種控除
住民税 都道府県・市区町村 総所得金額 基礎控除43万円など各種控除
個人事業税 都道府県 事業所得のみ 事業主控除290万円のみ

個人事業税の特徴は、事業所得のみが課税対象となる点です。不動産所得や給与所得などは対象外であり、また基礎控除や配偶者控除などの人的控除も適用されません。代わりに、事業主控除として一律290万円が控除されます。

個人事業税の納税通知書サンプル
都道府県から送付される個人事業税の納税通知書イメージ

課税対象となる業種一覧【全70業種を完全網羅】

個人事業税は、地方税法で定められた法定業種にのみ課税されます。令和6年度現在、70業種が課税対象として指定されており、業種によって税率が3%、4%、5%の3段階に分かれています。

第1種事業(税率5%)37業種

最も多くの業種が該当するのが第1種事業で、税率は5%です。一般的な物販業やサービス業の多くがこの区分に含まれます。

  • 物品販売業
  • 運送取扱業
  • 料理店業
  • 遊覧所業
  • 保険業
  • 船舶定係場業
  • 飲食店業
  • 商品取引業
  • 金銭貸付業
  • 倉庫業
  • 周旋業
  • 不動産売買業
  • 物品貸付業
  • 駐車場業
  • 代理業
  • 広告業
  • 不動産貸付業
  • 請負業
  • 仲立業
  • 興信所業
  • 製造業
  • 印刷業
  • 問屋業
  • 案内業
  • 電気供給業
  • 出版業
  • 両替業
  • 冠婚葬祭業
  • 土石採取業
  • 写真業
  • 公衆浴場業(むし風呂等)
  • 電気通信事業
  • 席貸業
  • 演劇興行業
  • 運送業
  • 旅館業
  • 遊技場業
注意: 不動産貸付業は、一定規模以上(おおむね戸建て10棟以上、アパート・マンション10室以上)の場合に事業として認定され、課税対象となります。

第2種事業(税率4%)3業種

第2種事業は税率4%で、主に水産業に関連する業種が該当します。

  • 畜産業
  • 水産業
  • 薪炭製造業

第3種事業(税率5%または3%)30業種

第3種事業は、医療や士業などの専門職が含まれ、税率は業種によって5%または3%に分かれます。

税率5%の業種:

  • 医業
  • 歯科医業
  • 薬剤師業
  • 獣医業
  • 弁護士業
  • 司法書士業
  • 行政書士業
  • 公証人業
  • 弁理士業
  • 税理士業
  • 公認会計士業
  • 計理士業
  • 社会保険労務士業
  • コンサルタント業
  • 設計監督者業
  • 不動産鑑定業
  • デザイン業
  • 諸芸師匠業
  • 理容業
  • 美容業
  • クリーニング業
  • 公衆浴場業(銭湯)
  • 歯科衛生士業
  • 歯科技工士業
  • 測量士業
  • 土地家屋調査士業
  • 海事代理士業
  • 印刷製版業

税率3%の業種:

  • あんま・マッサージ・指圧・はり・きゅう・柔道整復等の事業
  • 装蹄師業
業種別の個人事業税税率一覧表
第1種・第2種・第3種事業の税率区分

課税対象外の業種

法定業種に該当しない事業は、個人事業税の課税対象外となります。特にフリーランスで多いのが以下の業種です。

  • ライター・作家業(文筆業)
  • プログラマー・エンジニア業(システムエンジニアは含まれない場合がある)
  • イラストレーター業(デザイン業に該当する場合は課税対象)
  • 漫画家業
  • 農業(第2種事業の「畜産業」「水産業」は対象だが、農業は対象外)
  • 通訳・翻訳業
  • スポーツ選手
  • 音楽家
ポイント: 業種判定が微妙なケースでは、各都道府県の税務事務所に事前に確認することをおすすめします。同じ「Web制作」でも、デザイン業に該当すれば課税、プログラミング業と判断されれば非課税となる場合があります。

▲ 個人事業税の対象業種と計算方法を分かりやすく解説

個人事業税の計算方法【具体例で分かりやすく解説】

個人事業税の計算は、基


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