新NISAと確定申告の関係|非課税口座でも申告が必要なケースとは


新NISAは投資利益が非課税になる制度として2024年から始まり、多くの個人事業主・フリーランスの方が資産形成に活用していますが、「非課税だから確定申告は一切不要」と思い込んでいませんか?実は、NISA口座で取引していても確定申告が必要になるケースや、申告することで得するケースがあり、正しく理解していないと損をしたり、税務上のトラブルに発展する可能性があるのです。

本記事では、新NISAと確定申告の関係について、個人事業主・フリーランス向けに徹底解説します。「どんなケースで申告が必要なのか」「NISA口座と特定口座の使い分け」「配当金の受け取り方による違い」など、実務で役立つ知識を網羅的にお伝えします。

会計屋.comでは、税務・会計の正確な情報を分かりやすく提供しています。この記事を読めば、新NISAを最大限活用しながら、確定申告で損をしない方法が分かります。

新NISAの基本|非課税制度の仕組みと確定申告の原則

新NISAは令和6年(2024年)から始まった非課税投資制度で、従来のつみたてNISAと一般NISAを統合・拡充した制度です。まずは基本的な仕組みと確定申告との関係を整理しましょう。

新NISA制度の概要図と非課税枠の説明
新NISAの2つの投資枠と非課税期間

新NISA制度の概要

項目 つみたて投資枠 成長投資枠
年間投資枠 120万円 240万円
生涯投資枠 1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)
非課税期間 無期限
対象商品 金融庁が定める投資信託 上場株式・投資信託等

確定申告が不要な原則

新NISA口座内で発生した以下の利益は、所得税・住民税が非課税となり、原則として確定申告は不要です。

  • 譲渡益(売却益): 株式や投資信託を売却して得た利益
  • 配当金・分配金: 保有している株式や投資信託から受け取る配当・分配金
ポイント: 通常の特定口座や一般口座では、譲渡益に対して20.315%(所得税15.315%、住民税5%)の税金がかかりますが、NISA口座ではこれが完全に非課税になります。

新NISAでも確定申告が必要になる5つのケース

「非課税だから申告不要」が原則ですが、実は確定申告が必要になったり、申告したほうが得するケースがあります。個人事業主・フリーランスの方は特に注意が必要です。

確定申告書類とNISA口座の年間取引報告書
NISA口座でも確定申告が関係するケース

ケース1:配当金の受取方法が「総合課税」「申告分離課税」の場合

NISA口座で保有する株式の配当金は、受取方法によって扱いが異なります。

  • 株式数比例配分方式: 証券口座で受け取る方式。NISA口座なら非課税で申告不要
  • 配当金領収証方式・個別銘柄指定方式: 郵便局や銀行で受け取る方式。NISA口座でも源泉徴収されるため、確定申告で還付を受ける必要がある
注意: NISA口座の配当金を完全非課税にするには、必ず「株式数比例配分方式」を選択してください。それ以外の方式では、NISA口座でも源泉徴収されてしまい、還付を受けるには確定申告が必要です。

ケース2:NISA口座と他の口座を併用している場合

個人事業主・フリーランスの方で、NISA口座と特定口座・一般口座の両方で投資している場合、NISA以外の口座での損益は確定申告の対象になります。

口座の種類 確定申告の必要性 損益通算
NISA口座 原則不要(非課税) 不可
特定口座(源泉徴収あり) 原則不要(自動徴税) 申告すれば可能
特定口座(源泉徴収なし) 必要 可能
一般口座 必要 可能

ケース3:損益通算や繰越控除を利用したい場合

NISA口座の損失は、他の口座の利益と損益通算できません。しかし、特定口座や一般口座で損失が出た場合は、確定申告することで以下のメリットがあります。

  • 同一年内の他の口座の利益と損益通算できる
  • 翌年以降3年間、損失を繰り越して控除できる
ポイント: 個人事業主で複数の証券口座を持っている場合、NISA以外の口座で損失が出たら確定申告することで、翌年以降の税負担を軽減できます。

ケース4:外国税額控除を受けたい場合

海外株式や海外ETFをNISA口座で保有している場合、配当金に対して現地国で源泉徴収されることがあります。

  • 米国株の場合、配当に対して10%の源泉徴収(日米租税条約による軽減税率)
  • NISA口座では日本の税金は非課税だが、外国税は課税される
  • この外国税について、外国税額控除は適用できない(NISA口座の場合)
注意: NISA口座で保有する外国株式等の配当に係る外国税は、外国税額控除の対象外です。確定申告しても還付を受けることはできません。

ケース5:個人事業主で国民健康保険料への影響を考慮する場合

個人事業主・フリーランスの方は、投資の利益が国民健康保険料の算定基礎に影響する点に注意が必要です。

  • NISA口座の利益: 非課税のため、国民健康保険料の算定基礎に含まれない
  • 特定口座(源泉徴収あり)で申告しない場合: 算定基礎に含まれない
  • 確定申告した場合: 申告分離課税でも合計所得金額に含まれるため、国民健康保険料が上がる可能性がある

▲ 新NISAと確定申告の関係を分かりやすく解説

NISA口座と特定口座の使い分け|確定申告の観点から

個人事業主・フリーランスが投資を行う際、NISA口座と特定口座をどう使い分けるべきか、確定申告の観点から解説します。

証券口座の種類と確定申告の関係を示す図表
NISA口座と特定口座の比較

NISA口座のメリット・デメリット

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