修正申告と更正の請求の違い|確定申告を間違えた時の正しい対処法


確定申告を終えて安心していたら、後から税額の計算ミスや控除の漏れに気づいて焦った経験はありませんか?多くの個人事業主・フリーランスの方が「申告を間違えてしまったけど、どう対処すればいいか分からない」と悩んでいます。

確定申告の間違いを訂正する方法には、税額が増える場合の「修正申告」と、税額が減る場合の「更正の請求」があり、それぞれ手続きや期限、ペナルティが異なります。間違った対処をすると余計な税金を払うことになったり、必要な還付が受けられなかったりする恐れがあります。

本記事では、修正申告と更正の請求の違いを明確に解説し、確定申告を間違えた時の正しい対処法を具体的な手順とともにお伝えします。ペナルティの詳細や期限、実際の提出方法まで、会計屋.comが分かりやすく完全ガイドします。

確定申告の間違いに気づいた時の基本対応

確定申告の間違いに気づいたら、まず「税額が増えるのか減るのか」を確認することが最優先です。この判断によって取るべき手続きが180度変わってきます。

間違いの種類を見極める

確定申告でよくある間違いには以下のようなものがあります:

  • 収入金額の記載漏れ・誤り(取引先からの入金を記録し忘れた等)
  • 経費の計上ミス(経費として認められないものを計上した等)
  • 控除の適用漏れ(医療費控除や扶養控除を申告し忘れた等)
  • 控除の過大申告(実際より多く控除額を記載した等)
  • 税額計算の誤り(計算式を間違えた等)
ポイント: 間違いに気づいたら、すぐに正しい税額を計算し直しましょう。元々申告した税額と正しい税額を比較して、どちらが多いかを確認してください。
確定申告の間違いを発見した時のフローチャート
確定申告の訂正手続きを判断するフローチャート

提出期限前か後かで手続きが変わる

令和6年分の確定申告の場合、提出期限は原則として令和7年3月17日です。この期限前であれば、訂正申告(再提出)という簡単な方法で対処できます。

訂正申告は、正しい内容で確定申告書を作り直して再度提出するだけです。税務署は最後に提出されたものを正式な申告として扱うため、ペナルティは一切ありません。期限内なら何度でも訂正可能です。

注意: e-Taxで訂正申告をする場合、前回の申告データを修正するのではなく、新規で正しい申告書を作成して送信してください。書面提出の場合も、余白に「訂正申告」と記載するとわかりやすいです。

修正申告とは|税額が増える場合の手続き

修正申告は、確定申告期限後に、当初申告した税額が実際より少なかったことが判明した場合に行う手続きです。つまり追加で税金を納める必要がある場合に使います。

修正申告が必要になるケース

具体的には以下のような状況で修正申告を行います:

  • 取引先から送られてきた支払調書を見て、記載していなかった収入があることに気づいた
  • 計上していた経費が税務調査で否認された(または自分で誤りに気づいた)
  • 所得控除の金額を実際より多く記載していた
  • 青色申告特別控除の要件を満たしていなかったことが判明した

修正申告の提出期限

修正申告には法定の提出期限はなく、「気づいた時点でできるだけ早く提出する」ことが求められます。ただし、税務署から更正を受ける前に自主的に修正申告すれば、ペナルティが軽減されます。

提出タイミング 加算税の取り扱い
税務調査の通知前 過少申告加算税なし(延滞税のみ)
税務調査の通知後〜調査前 5%の過少申告加算税
税務調査による指摘後 10%の過少申告加算税(一定額超は15%)
ポイント: 税務署から連絡が来る前に自主的に修正申告すれば、過少申告加算税はかかりません。延滞税は発生しますが、早く対処するほど金額を抑えられます。
修正申告書の記入例と必要書類一覧
修正申告書の記入例(第一表・第五表)

修正申告の具体的な手順

STEP 1: 正しい税額を計算し直す
収入や経費、控除額を正確に再計算し、正しい所得税額を算出します。
STEP 2: 修正申告書を作成する
確定申告書第一表と第五表(修正申告書・別表)を作成します。e-Taxでも作成可能です。
STEP 3: 税務署に提出する
管轄税務署に直接提出、郵送、またはe-Taxで送信します。
STEP 4: 追加の税金を納付する
修正申告書に記載された追加納税額を、金融機関やコンビニ、e-Tax経由で納付します。

▲ 修正申告の手続きと注意点を動画で解説

修正申告のペナルティ詳細

修正申告を行った場合、以下のペナルティが課される可能性があります:

1. 過少申告加算税
新たに納める税金の10%(期限内申告税額と50万円のいずれか多い金額を超える部分は15%)が課されます。ただし、税務調査の通知前に自主的に修正申告すれば免除されます。

2. 延滞税
納期限の翌日から修正申告書の提出日までの日数に応じて発生します。令和6年の延滞税率は、納期限から2か月以内が年2.4%、2か月超が年8.7%です(令和6年度の税制改正により確定)。

3. 重加算税
意図的に事実を隠蔽・仮装していた場合は、過少申告加算税に代えて35%の重加算税が課されます。これは非常に重いペナルティです。

更正の請求とは|税額が減る場合の手続き

更正の請求は、確定申告期限後に、当初申告した税額が実際より多かったことが判明した場合に行う手続きです。つまり払いすぎた税金の還付を求める場合に使います。

更正の請求が必要になるケース

以下のような状況で更正の請求を行います:

  • 医療費控除や寄附金控除など、適用できる所得控除を申告し忘れていた
  • 青色申告特別控除の金額を少なく記載していた
  • 経費として計上できるものを漏らしていた
  • 収入金額を実際より多く記載していた
  • 配偶者控除や扶養控除の適用を忘れていた
ポイント: 「税金を多く払いすぎていた」場合でも、自動的に還付されるわけではありません。更正の請求という正式な手続きを踏む必要があります。
更正の請求書の記入例と添付書類
更正の請求書(第一表)の記入例

更正の請求の提出期限

更正の請求には厳格な期限があります。原則として、法定申告期限から5年以内に提出しなければなりません。

例えば、令和5年分(2023年分)の確定申告の法定期限は令和6年3月15日なので、更正の請求ができるのは令和11年3月15日までとなります。この期限を過ぎると


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