会計ソフトと請求書ソフトの連携比較|Misoca・board・インボイス対応状況


請求書の作成から会計ソフトへの仕訳入力まで、毎月の経理作業に時間を取られていませんか?請求書ソフトと会計ソフトを連携させれば、売上の自動仕訳や売掛金管理、入金消込まで効率化できます。しかし、Misoca・board・freee請求書・マネーフォワード クラウド請求書など選択肢が多く、どれを選べば良いか迷っている方も多いでしょう。

本記事では、主要な請求書ソフトと会計ソフトの連携機能を徹底比較し、あなたの事業に最適な組み合わせを見つけるための情報を網羅的に解説します。インボイス制度対応状況、連携できる会計ソフトの種類、自動仕訳の精度、入金消込の手間など、実務で重要なポイントを具体的なデータとともにお伝えします。

この記事を読めば、請求書ソフトと会計ソフトの連携で年間50時間以上の経理時間を削減する方法が分かります。実際の導入事例やコスト比較、設定手順まで詳しく解説していますので、今日から業務効率化を始められます。

請求書ソフトと会計ソフト連携の基礎知識

請求書ソフトと会計ソフトの連携イメージ図
請求書データが会計ソフトへ自動で転送されるイメージ

請求書ソフトと会計ソフト連携とは何か

請求書ソフトと会計ソフトの連携とは、請求書作成ソフトで発行した請求書のデータを会計ソフトに自動で取り込み、仕訳として記帳する仕組みです。従来は請求書を発行した後、同じ内容を会計ソフトに手入力する必要がありましたが、連携機能を使えば二重入力が不要になります。

具体的には、以下のような情報が自動連携されます:

  • 請求日・取引先名・請求金額
  • 請求内容(品目・数量・単価)
  • 消費税額・軽減税率区分
  • 入金予定日・入金ステータス
  • 適格請求書発行事業者登録番号(インボイス対応)

これらのデータが請求書ソフトから会計ソフトへ自動転送されることで、「売掛金」の計上から「入金消込」までを一元管理できるようになります。特に個人事業主やフリーランスにとっては、月に10件以上の請求書を発行する場合、連携による時間削減効果は非常に大きいと言えます。

連携によって解決できる経理課題

請求書ソフトと会計ソフトの連携により、以下のような経理課題を解決できます:

解決できる主な課題:

  • 二重入力の手間:請求書作成後、同じ内容を会計ソフトに再入力する必要がなくなる
  • 入力ミスのリスク:手入力による金額や日付の間違いを防止できる
  • 売掛金管理の煩雑さ:どの請求が未入金か、一目で把握できる
  • 入金消込作業:銀行連携と組み合わせて自動消込が可能
  • 確定申告時の集計:年間売上が自動集計され、確定申告がスムーズになる

年間売上500万円のフリーランスWebデザイナーAさんの場合、月平均20件の請求書を発行しており、従来は請求書作成と会計入力で月4時間を費やしていました。連携導入後は月1時間程度に削減でき、年間36時間(約4.5営業日分)の時間を創出できたと報告しています。

2024年時点でのインボイス制度対応状況

2023年10月から開始されたインボイス制度(適格請求書等保存方式)により、請求書ソフトには新たな要件が求められています。2024年現在、主要な請求書ソフトはほぼすべてインボイス制度に対応していますが、対応レベルには差があります。

インボイス対応項目 主要ソフト対応状況 重要度
適格請求書発行事業者登録番号の記載 全ソフト対応済み 必須
消費税率・税額の区分表示 全ソフト対応済み 必須
軽減税率8%と標準税率10%の自動計算 全ソフト対応済み 必須
免税事業者からの経過措置対応 主要ソフトは対応済み 推奨
電子インボイスPeppol対応 一部ソフトのみ対応 将来的に重要

特に個人事業主の場合、青色申告65万円控除を受けるためには正確な記帳が必要ですので、インボイス制度に完全対応した請求書ソフトを選ぶことが重要です。

主要請求書ソフトの会計連携機能比較

主要請求書ソフトの比較一覧表
Misoca・board・freee・マネーフォワードの機能比較

Misoca(ミソカ)の連携機能と特徴

Misoca(ミソカ)は弥生株式会社が提供する請求書作成サービスで、特に弥生会計シリーズとの連携に強みがあります。個人事業主から小規模法人まで幅広く利用されており、シンプルな操作性が特徴です。

Misocaの主な連携機能:

  • やよいの青色申告オンライン:完全自動連携、仕訳データが即座に反映
  • やよいの白色申告オンライン:同上
  • 弥生会計オンライン:法人向けも完全対応
  • freee会計:API連携により自動同期可能
  • マネーフォワード クラウド会計:CSV出力による半自動連携
Misocaの特徴: 弥生会計シリーズとの連携なら、請求書発行と同時に「売掛金/売上高」の仕訳が自動生成されます。さらに銀行口座連携と組み合わせることで、入金時の消込作業も自動化できます。月額プランは無料(年間5通まで)、プラン15が年額8,800円、プラン100が年額33,000円と、コストパフォーマンスに優れています。

実際の連携設定は3ステップで完了します。Misocaの「連携サービス」メニューから弥生会計を選択し、弥生IDでログイン認証すれば、以降は請求書を発行するたびに自動で会計ソフトへデータが送信されます。

board(ボード)の連携機能と特徴

boardは株式会社ヴェルクが提供する案件管理・請求書作成ソフトで、案件の見積もりから請求・入金管理までを一元管理できる点が特徴です。特にプロジェクト型のビジネスを行うフリーランスや制作会社に人気があります。

boardの主な連携機能:

  • freee会計:API連携で売上・経費を自動同期
  • マネーフォワード クラウド会計:API連携対応
  • 弥生会計:CSV出力による連携
  • 会計freee・MFクラウド以外:汎用CSV出力で対応可能
boardの機能 内容 会計連携での利点
案件管理 見積から請求まで一元管理 案件別売上が自動集計される
見積・請求書作成 テンプレート豊富、カスタマイズ可 見積段階から会計データ連携可能
入金管理 請求書ごとの入金状況を追跡 未入金の売掛金を自動抽出
経費精算 案件に紐づく経費を登録可能 経費データも会計ソフトへ連携
料金 月額1,980円〜(Personal) 低コストで高機能連携が可能

boardの特徴は、請求書だけでなく案件に関連する経費も一緒に管理できる点です。例えば、Webサイト制作案件で外注費や素材購入費が発生した場合、それらも案件に紐付けて登録でき、会計ソフトへ経費仕訳として連携できます。これにより、案件ごとの粗利計算が容易になります。

freee請求書の連携機能と特徴

freee請求書は、freee株式会社が提供する請求書作成サービスで、当然ながらfreee会計との連携が最もスムーズです。会計ソフト「freee会計」と同じアカウントで利用でき、データ連携の設定すら不要という手軽さが魅力です。

freee請求書の最大の特徴: freee会計との完全一体化により、請求書を「確定」ボタンを押した瞬間に売上仕訳が自動生成されます。さらに、銀行口座やクレジットカードと連携していれば、入金時に自動マッチングして売掛金を消し込みます。この一連の流れが完全自動化されているため、freee確定申告を利用している個人事業主には特におすすめです。

freee請求書の連携機能:

  • freee会計:完全自動連携(設定不要)
  • 他社会計ソフト:基本的に連携不可(CSV出力は可能)
  • 銀行口座連携:入金の自動マッチング機能
  • 請求書メール送信:送付履歴も会計に記録

料金体系は、freee会計のプランに含まれる形になっています。スターター(月額1,628円/年払い)、スタンダード(月額2,948円/年払い)、プレミアム(月額43,780円/年払い)のいずれかに加入すれば、請求書作成機能も無制限で利用できます。

▲ freee請求書と会計ソフトの連携設定方法を解説

マネーフォワード クラウド請求書の連携機能

マネーフォワード クラウド請求書は、マネーフォワード クラウドシリーズの一つで、クラウド会計・給与・経費精算など、複数のサービスとシームレスに連携できる点が強みです。

マネーフォワード クラウド請求書の連携機能:

  • マネーフォワード クラウド会計:完全自動連携
  • マネーフォワード クラウド経費:経費データとの統合管理
  • マネーフォワード クラウド給与:給与データとの連携
  • 他社会計ソフト:CSV出力で対応可能

料金体系は、個人事業主向けのパーソナルミニ(月額1,078円/年払い)、パーソナル(月額1,408円/年払い)、パーソナルプラス(月額3,278円/年払い)があり、請求書作成機能はすべてのプランに含まれています。

マネーフォワードの特徴は、請求書・会計・経費・給与などのデータが完全に統合されている点です。例えば、従業員への給与支払いや外注費の支払いも含めて、すべての取引が自動で会計データに反映されます。これにより、会計ソフトの選択でマネーフォワードを検討している方には、請求書もマネーフォワードで統一するメリットが大きいと言えます。

マネーフォワードクラウドのダッシュボード画面
マネーフォワードの統合ダッシュボードで請求・入金・会計を一元管理

その他の請求書ソフト(invoiceAgent・楽楽明細など)

上記の主要4サービス以外にも、特定のニーズに特化した請求書ソフトがあります:

  • invoiceAgent:紙の請求書をPDF化・データ化するOCR機能に強み。受け取った請求書の処理に便利
  • 楽楽明細:大量の請求書を一括発行する企業向け。個人事業主には過剰スペック
  • INVOY:完全無料の請求書作成サービス。freee・MFとAPI連携可能
  • Zoho Invoice:海外取引が多い場合に便利な多通貨対応

ただし、これらのサービスは会計ソフトとの連携機能が限定的な場合が多いため、本格的な会計連携を求める個人事業主にはMisoca・board・freee・マネーフォワードのいずれかをおすすめします。

会計ソフト別の請求書連携対応状況

弥生会計シリーズの連携対応

弥生会計シリーズは、日本国内で最も利用者数が多い会計ソフトで、特に個人事業主向けの「やよいの青色申告オンライン」「やよいの白色申告オンライン」は、初心者でも使いやすいと評判です。

弥生会計と連携できる主な請求書ソフト:

請求書ソフト 連携方法 自動化レベル おすすめ度
Misoca API自動連携 ★★★★★(完全自動) ★★★★★
freee請求書 API連携 ★★★★☆(ほぼ自動) ★★★☆☆
マネーフォワード クラウド請求書 CSV出力・取込 ★★☆☆☆(半自動) ★★☆☆☆
board CSV出力・取込 ★★☆☆☆(半自動) ★★★☆☆
その他請求書ソフト 手動入力またはCSV ★☆☆☆☆(手動) ★☆☆☆☆

弥生会計を使っている場合、Misocaとの組み合わせが最も効率的です。弥生とMisocaは同じ会社のサービスなので、連携の安定性と自動化レベルが他社製品とは比較にならないほど高いのです。実際、やよいの青色申告オンラインの利用者の約40%がMisocaを併用していると言われています。

弥生×Misoca連携の具体的なメリット:

  • 請求書作成と同時に「売掛金」が自動計上される
  • 入金時に銀行明細と自動マッチングして消込される
  • 取引先マスタが共有され、二重登録が不要
  • 消費税区分(10%/8%/非課税)が自動判定される
  • 請求書の控えPDFが弥生側でも閲覧可能

freee会計の連携対応

freee会計は、クラウド会計ソフトのパイオニアで、特にスマホアプリの使いやすさと自動化機能に定評があります。銀行・クレジットカードとの自動連携により、記帳作業の大部分を自動化できるのが特徴です。

freee会計と連携できる主な請求書ソフト:

  • freee請求書:完全一体型、設定不要で即座に連携
  • Misoca:API連携で自動同期可能
  • board:API連携で自動同期可能
  • マネーフォワード クラウド請求書:CSV出力で対応可能(やや手間)
  • INVOY:API連携で自動同期可能

freee会計を使っている場合、最も自然な選択はfreee請求書ですが、Misocaやboardとの連携も非常にスムーズです。特にboardは案件管理機能が充実しているため、プロジェクト型の仕事をしているフリーランスには、freee会計×boardの組み合わせも人気があります。

freee会計の取引登録画面
freee会計に請求書データが自動反映された状態

マネーフォワード クラウド会計の連携対応

マネーフォワード クラウド会計は、個人事業主から中小企業まで幅広く対応しており、特に複数の事業を持つ方や、将来的に法人化を考えている方に適しています。

マネーフォワード クラウド会計と連携できる主な請求書ソフト:

  • マネーフォワード クラウド請求書:完全自動連携、設定不要
  • Misoca:CSV出力で対応可能(やや手間)
  • board:API連携で自動同期可能
  • freee請求書:CSV出力で対応可能(やや手間)

マネーフォワードの場合も、同社の請求書サービスとの組み合わせが最もスムーズです。ただし、boardとのAPI連携も非常に安定しており、案件管理機能を重視する場合はboard×マネーフォワードの組み合わせも検討する価値があります。

会計ソフト選びのポイント: すでに使っている会計ソフトがある場合は、それに最適な請求書ソフトを選ぶのが基本です。しかし、これから両方導入する場合は、「請求書ソフトと会計ソフトを同じ会社で揃える」ことで、連携の手間を最小化できます。詳しくは会計ソフト比較記事もご参照ください。

その他会計ソフト(会計王・ちまたの会計など)

上記3大クラウド会計ソフト以外にも、いくつかの選択肢があります:

  • 会計王(ソリマチ):パッケージ型会計ソフト。CSV取込で請求書データを連携可能
  • わくわく財務会計:無料会計ソフト。手動入力が基本
  • JDL IBEX出納帳:税理士事務所でよく使われる。CSV取込対応

これらの会計ソフトでは、Misoca・board・freee・マネーフォワードいずれの請求書ソフトからもCSV出力して取り込むことは可能ですが、自動連携機能はほとんど使えません。効率化を重視するなら、クラウド会計ソフトへの移行を検討することをおすすめします。

請求書ソフトと会計連携の設定方法【ステップ解説】

連携設定の手順イメージ
請求書ソフトと会計ソフトの連携設定画面

Misoca×やよいの青色申告オンライン連携手順

最も人気の高い組み合わせであるMisocaとやよいの青色申告オンラインの連携設定は、非常に簡単です。以下のステップで5分程度で完了します。

STEP 1:Misocaにログインして連携メニューを開く

Misocaにログイン後、画面右上の「設定」アイコンから「外部サービス連携」を選択します。連携可能なサービス一覧から「やよいの青色申告オンライン」を選びます。

STEP 2:弥生IDで認証する

「連携する」ボタンをクリックすると、弥生IDのログイン画面が表示されます。やよいの青色申告オンラインで使用しているメールアドレスとパスワードを入力してログインします。

STEP 3:連携を許可する

「Misocaがやよいの青色申告オンラインにアクセスすることを許可しますか?」という画面が表示されるので、「許可する」をクリックします。これで連携設定は完了です。

STEP 4:仕訳パターンを確認・調整する

Misocaの「外部サービス連携」画面に戻り、「仕訳設定」を確認します。デフォルトでは「借方:売掛金/貸方:売上高」という仕訳が自動生成されますが、必要に応じて勘定科目を変更できます。

設定完了後、Misocaで請求書を作成して「確定」ボタンを押すと、数秒後にやよいの青色申告オンラインの「取引」画面に自動で仕訳が追加されます。初回は念のため、やよいの青色申告オンライン側で仕訳が正しく登録されているか確認しましょう。

board×freee会計連携手順

boardとfreee会計の連携も、API連携により自動同期が可能です。案件管理から売上計上まで一気通貫で管理したい場合に最適な組み合わせです。

  1. boardで連携設定画面を開く:boardにログイン後、「設定」→「外部サービス連携」→「freee」を選択
  2. freeeアカウントで認証:freee会計のログイン画面が表示されるので、メールアドレスとパスワードを入力
  3. 連携範囲を選択:「請求書」「経費」「入金」のうち、連携したい項目にチェックを入れる(通常はすべて選択)
  4. 勘定科目のマッピング設定:boardの「売上」がfreeeのどの勘定科目に対応するか設定する(通常は「売上高」)
  5. 連携を有効化:「連携を開始する」ボタンをクリックして完了

board×freeeの組み合わせでは、請求書だけでなく、案件に紐づく経費もfreee会計に自動連携できるのが大きなメリットです。例えば、Webサイト制作案件で外注費5万円、サーバー費用5,000円、画像素材購入費3,000円が発生した場合、これらをboardの案件に紐付けて登録すれば、freee会計側で自動的に経費仕訳が生成されます。

▲ boardとfreee会計の連携設定を実際の画面で解説

freee請求書×freee会計の連携(設定不要パターン)

freee請求書とfreee会計は、同じアカウントで利用するため、連携設定という概念自体がありません。freee会計に登録した時点で、請求書作成機能も自動的に有効になっています。

freee一体型のメリット:

  • 請求書を「確定」した瞬間に売上仕訳が自動生成される
  • 取引先マスタが完全に共有されている(一度登録すれば請求書にも会計にも使える)
  • 品目マスタも共有されている(サービス内容を一度登録すれば請求書で選択可能)
  • 入金時に銀行明細と自動マッチング、売掛金が自動消込される
  • 請求書の送付履歴が会計データと紐づいて保存される

ただし、freeeは「シンプルさ」を重視した設計のため、複雑な案件管理や見積もりから請求までのワークフロー管理には向いていません。そのような機能が必要な場合は、boardを検討した方が良いでしょう。

マネーフォワード クラウド請求書×マネーフォワード クラウド会計の連携

マネーフォワード クラウドシリーズも、同じアカウントで複数のサービスを利用できるため、連携設定は不要です。ただし、各サービスは独立しているため、初回利用時に「請求書サービスを有効にする」設定だけは必要です。

  1. マネーフォワード クラウド会計にログイン
  2. 画面上部の「サービス追加」ボタンをクリック
  3. 「請求書」サービスにチェックを入れて「追加する」
  4. 請求書サービスの初期設定(会社情報・ロゴ設定など)を行う
  5. 設定完了後、請求書を作成すると自動で会計データに反映される

マネーフォワードの特徴は、会計・請求書・経費・給与などのデータが完全に統合されている点です。例えば、請求書で使った取引先情報が、経費精算や給与計算でも自動的に使えるようになります。複数のサービスをまたいだデータ管理が必要な場合に特に便利です。

マネーフォワードクラウドのサービス連携画面
マネーフォワードクラウドの各サービス連携状態

連携後の動作確認ポイント

連携設定が完了したら、以下のポイントを必ず確認しましょう:

注意:連携後の確認事項

  • 仕訳日付:請求日が正しく会計ソフトに反映されているか
  • 勘定科目:売上高の科目が正しいか(「売上高」「売上」「雑収入」など)
  • 消費税区分:10%課税、8%軽減税率、非課税が正しく設定されているか
  • 取引先名:請求書の宛名が会計ソフトの取引先として登録されているか
  • 品目・摘要:何の売上かが分かる情報が記載されているか

特に消費税区分は、確定申告時に大きく影響しますので、連携初期にしっかり確認しておくことが重要です。軽減税率8%の対象商品(食品など)を扱っている場合は、特に注意が必要です。

自動仕訳機能の精度と実務での活用法

自動仕訳とは何か?どこまで自動化できるのか

自動仕訳とは、請求書ソフトから会計ソフトへデータ連携する際に、請求内容を自動的に仕訳形式(借方・貸方)に変換して記帳する機能です。従来の手動記帳では「請求書を見ながら会計ソフトに入力する」という二度手間が発生していましたが、自動仕訳機能により、請求書を作成するだけで会計帳簿への記帳が完了します。

自動仕訳で記録される主な情報:

仕訳項目 請求書ソフトからの連携内容 会計ソフトでの処理
日付 請求日または発行日 仕訳日として自動設定
借方科目 請求金額(未入金の場合) 「売掛金」として自動計上
貸方科目 請求内容・品目 「売上高」として自動計上
消費税 税率・税額 「仮受消費税」として自動計上
摘要 請求書の件名・取引先名 仕訳の摘要欄に自動入力

例えば、「株式会社A社に対して、Webサイト制作費330,000円(税込)の請求書を発行」した場合、以下のような仕訳が自動生成されます:

【請求日:2024年1月15日】
借方:売掛金 330,000円 / 貸方:売上高 300,000円
               仮受消費税 30,000円
摘要:株式会社A社 Webサイト制作費

このように、請求書の内容が自動的に複式簿記の仕訳形式に変換されるため、簿記の知識がない方でも正確な記帳ができます。

自動仕訳の精度を高めるための設定方法

自動仕訳の精度は、初期設定でどれだけ詳細にルールを設定するかで大きく変わります。以下のポイントを押さえることで、ほぼ100%の精度で自動化できます。

精度を高める5つのポイント:

  1. 品目マスタの整備:よく使う商品・サービスを事前登録し、それぞれに適切な勘定科目を紐付ける
  2. 取引先マスタの整備:取引先ごとに売上科目を設定できる場合は、あらかじめ設定しておく
  3. 消費税区分の確認:10%課税、8%軽減税率、非課税、不課税の区分を正確に設定
  4. 仕訳パターンの登録:複雑な取引(中間マージン、源泉徴収ありなど)はパターンとして登録
  5. 定期的な見直し:月次で仕訳を確認し、誤りがあればルールを修正する

特に重要なのは品目マスタの整備です。例えばフリーランスWebデザイナーの場合、以下のような品目を事前登録しておくと便利です:

  • 「Webサイト制作費」→ 売上高(10%課税)
  • 「Webサイト保守料」→ 売上高(10%課税)
  • 「コンサルティング費」→ 売上高(10%課税)
  • 「原稿執筆料」→ 売上高(源泉徴収あり、10%課税)

これらを請求書作成時に選択するだけで、適切な勘定科目と消費税区分が自動設定されます。

品目マスタの設定画面例
請求書ソフトの品目マスタ設定画面

複雑な取引(源泉徴収・中間マージンなど)の自動化

シンプルな売上取引は完全自動化できますが、以下のような複雑な取引はソフトによって対応状況が異なります:

源泉徴収がある取引の場合:

フリーランスのデザイナーやライターなど、原稿料・デザイン料には10.21%(100万円以下の場合)の源泉所得税が差し引かれて入金されます。この場合の仕訳は以下のようになります:

【請求額100,000円、源泉徴収10,210円、入金額89,790円の場合】
借方:売掛金 100,000円 / 貸方:売上高 100,000円

【入金時】
借方:普通預金 89,790円 / 貸方:売掛金 100,000円
借方:事業主貸 10,210円

この仕訳パターンを「源泉徴収あり売上」として登録しておけば、請求書作成時に自動計算・自動仕訳が可能です。Misoca・board・freee・マネーフォワードすべてで対応しています。

中間マージン(紹介手数料)がある場合:

例えば、総額100万円の案件を受注し、そのうち30万円を協力会社に外注した場合、純粋な売上は70万円です。この場合の処理方法は2通りあります:

  1. 請求書は100万円で発行し、外注費は別途経費計上する方法(一般的)
  2. 請求書を70万円で発行し、外注分は直接クライアントに請求してもらう方法

1の方法の場合、請求書ソフトでは100万円の売上として連携され、外注費30万円は別途経費として入力します。boardの場合は、案件に紐づけて外注費も登録できるため、案件別の粗利管理が容易です。

入金消込の自動化と売掛金管理

請求書を発行した後、実際に入金されるまでは「売掛金」として管理する必要があります。入金消込とは、銀行口座に入金があった際に、どの請求書に対する入金かを紐付けて「売掛金」を減らす処理です。

自動入金消込の仕組み:

  • 会計ソフトが銀行口座と連携している
  • 入金取引を自動取得する
  • 金額と取引先名から、該当する売掛金を自動判定する
  • マッチングした場合、自動で消込処理を行う

例えば、株式会社A社に33万円の請求書を発行し、1週間後に33万円の入金があった場合、以下のように自動処理されます:

【請求時】
借方:売掛金 330,000円 / 貸方:売上高 300,000円
               仮受消費税 30,000円

【入金時(自動消込)】
借方:普通預金 330,000円 / 貸方:売掛金 330,000円
摘要:株式会社A社 売掛金回収(自動消込)

この自動消込機能により、「どの請求が未入金か」「いつ入金されたか」を手動で管理する必要がなくなります。特に取引先が多い場合、この機能は非常に有効です。

注意:自動消込が失敗するケース

  • 振込名義が異なる:請求先と振込名義が違うと自動マッチングされない
  • 入金額が異なる:振込手数料を差し引かれて入金された場合など
  • 複数請求書をまとめて入金:2件分の請求を1回で振込まれた場合

これらのケースでは手動で消込処理が必要ですが、主要な請求書・会計ソフトでは「推測候補」を表示してくれるので、完全手動よりは効率的です。

請求書ソフトと会計連携の料金比較

各ソフトの料金比較表
請求書ソフトと会計ソフトの組み合わせ別料金比較

各ソフトの料金体系

請求書ソフトと会計ソフトを組み合わせて使う場合、それぞれの料金が発生します。ここでは個人事業主向けの料金を比較します。